ーOOO-サントリーのビール部門が黒字になった件について

 そういったわけで先日サントリーさんのカクテルの講座に行ってきたのだけれど、その件はさておき、サントリー担当さんのお話を伺って記憶に残った点をピックアップ。
 ま、お話を伺うというか、自分でつくったカクテルをしこたまのんでグデングデンになりながら絡んだ、と言ったほうが正確かな。


 最近は不景気だから、サントリーさんも苦しいんじゃないですか?と伺ったら
「いえいえ、そうでもないんですよ」
 ははぁ?そらまたどうして?
「確かに外でお食事をする方やお酒を飲む方は減ったんですが、ご自宅でお酒を楽しむ方が増えてきたみたいです」
 なるほど、不景気でおサイフのヒモが締まってきたけれど、お酒は飲みたいし、みたいな感じですかねー。
 あ、だから今回「おうちでカクテル ワークショップ」なんですか?
「いえいえ。気軽にカクテルを楽しんでいただきたいと言うことで、この講座は以前から催されていたんですよ。それを今回ブロガーミーティングの形でイベントにした、というわけです」
 なるほどねー。じゃあ一般の皆さんが受けるのと同じ講義をワレワレは受けたわけですね?
「内容は同じなんですが、ふだんの受講者さんと違って、ブロガーの皆さんは内容を真剣に聞いてくださるし、メモをお取りになるし、質問は飛んでくるしということで、講義するワレワレは刺激になりましたね。大変緊張しました」


 そういえば、サントリーさんはとうとうビール部門でシェアが3位になったとか。おめでとうございます。
「ありがとうございます。
 あのですね、シェアが3位になったのももちろんうれしいんですが」
 はいはい、なんでしょう?
「実は、サントリーのビール部門が初めて黒字になったんですよ」
 ええええー?今まで赤字だったんですか?
「はい、45年間」
 うわうわうわ、そうだったんですかー! それはちょっとすごいというか、うわー、えー、あー。
「一般の企業さんだったら、そんなお荷物部門は切り捨てですよね。そこを弊社の経営陣が辛抱強く育ててくださったというか」
 サントリーさんの最初のウイスキーの物語もそんな感じですよね、ウイスキーが樽の中で熟成するまで、延々と赤字を重ねていった、という。
 サントリーさんは、チャレンジングスピリッツみたいなものが熱いですよね。
「なんといいますか、そういう横文字じゃなくて、「やってみなはれ」の精神といいますか」
 あー、いい言葉ですね、「やってみなはれ」の精神って。


サントリーのシェアが3位になったことについては、販売戦略だとか広告だとかいろいろ言われるんですが、ワレワレ的にはなんといってもプレミアムモルツなんですよね」
 プレミアムビールって言うと、ほんの5年くらい前まではエビスビールしかなかったのが、もういまはプレミアムモルツがスゴい勢いで伸びてきて、他の各社が本腰を入れてきてますよね。
 なんていうか、サントリーさんがプレミアムモルツでジャンルを切り開いて広げたって言うか、そういう感じありますよね。
「売り上げの伸びもうれしいんですが、最近は高級な料亭さんとか、そういったお店から引き合いがあるのがうれしいですね。
 いままでは「ふん、サントリーのビールなんか」みたいなコトを言われまして、どれだけ営業で足を運んでも門前払いばかりだったんです。
 けれど、いまでは逆に「プレミアムモルツをウチの料亭で出したいんだけど」というようなお問い合わせをいただけるようになったんですよ。」


 世の中は不景気で、「赤字を黒字に」っていうとコストをカットするとか赤字部門を売却するとか、もうチマチマした話ばっかりじゃないですか。
 そんななか、45年間赤字だったサントリーのビール部門が、とびきりのおいしいビールを造ったことで黒字に転じた、っていうのは、なんかイイ話ですよね。