ーOOO-「おーちゃん、あそぼ」…あいうえ・おーちゃん

 4月28日は、Wii用の知育ソフト「こども教育テレビWii あいうえ・おーちゃん」の発売日でした。

 ということでつい先日、このソフトの開発元である代官山にあるリトルスタジオインクさんにお邪魔してきましたよ。
 こちらのオフィスではネコを飼っておられました。
 あんまりかわいかったので写真を撮ろうとしたら、猛烈な勢いで避けられまくり。ネコさんはこのあと、どこか隅っこの方でじっとしていたみたいです。
 知らないヒトがいっぱい来て、びっくりしたんだろうなぁ。ごめんごめん。

 ところでこのリトルスタジオインクさんは、もともと「ひらけ!ポンキッキ」のメインスタッフだった方々が設立したスタジオなんです。
 ポンキッキのスタッフが作った知育ソフト…それって、なんだか気になるでしょ?

「テレビはコドモたちに何ができるのだろうか?」

 さてさて、リトルスタジオインクさんって、どんな会社なんでしょう?


 TVというメディアは、一方通行かつ受動性の強いメディアです。1970年代、テレビというメディアの害悪が取りざたされるようになりました。
 そこでテレビの製作者は考えました。
「コドモたちは、テレビが好きだ。
 コドモたちが育つ時間をテレビというメディアが奪うのならば、テレビの製作者である私たちはその時間に責任を取ろうじゃないか。
 テレビはコドモたちに何ができるのだろうか?」
 この考えのもと、各界のエキスパートを結集して生まれた「幼稚園児を対象にしたTVによるカリキュラム」、それが幼児教育番組「ひらけ!ポンキッキ」だったのです。
 ポンキッキの放送開始から10年にわたり制作に携わったメインスタッフが、テレビではできないことを「親と子」に提供するために1983年に設立した企画開発制作会社。
 それが、リトルスタジオインクさんなのです。

 リトルスタジオインク設立後もメンバーのみなさんは「ひらけ!ポンキッキ」や「ピーキーズ」「ポンキッキーズ」の多くのコーナーにかかわり、また最近ではブログの「ガチャピン日記」も担当なさっているのだそうです。
 もちろん携わっているのはポンキッキだけではありません。
 ディズニーの教育ビデオ、セサミストリートのソングビデオ…それから、スノーマンにたずさわっていたこともあったそうです。
 変わったところでは、「My First SONY」というソニーの子供向けの家電製品というか、知育玩具というか、そういうものを手がけたこともあったそうです。

おーちゃん、あそぼ

 ではここで、「あいうえ・おーちゃん」で遊んでみることにしましょう。
 「あいうえ・おーちゃん」は、ニンテンドーWiiで動作する幼稚園児のための知育ソフトです。


 まずだいじなこと。この「あいうえ・おーちゃん」は、Wiiウェアです。
 単体でおもちゃ売り場で買うことは出来ません。
 まずはおもちゃ売り場などで売っているWiiポイントを買って、インターネットに接続した状態のWiiを使って、ダウンロードしてきます。
 「あいうえ・おーちゃん」は700Wiiポイント(=700円)、さらにこのソフトの上で動く追加ゲームが1本200〜400Wiiポイントです。
 
 これがスタートのホーム画面です。
 画面の左上にはカレンダーが。
 そして画面の右上にある窓の外の天気は、その日の気象情報を自動で取得して表示されています。
 画面の中の各アイテムをさわることで、何かが起こります。


 ここで色混ぜゲームの紹介です。
 コレは最初についてくるゲームのひとつです。


 画面の上に並んだ5種類の色。
 これを混ぜあわせるとどんな色になるでしょう?


 何度も遊んでいるウチに、レベルが上がってきます。(設定で変更するコトも可能です)
 レベルが上がっていくと、混ぜられる色の数や混ぜる割合が変えられるようになります。


 あいうえ・おーちゃんで最初に遊べるソフトは、このソフトと、さっきのホーム画面と、それから知育ドリルの3種類です。

 さらにこのソフトの上で動く追加ゲームが30種類用意されています。これが1本200〜400Wiiポイント(=200〜400円)です。
 
 では、追加で遊べるゲームをいくつか紹介しますね。
 
 注文どおりにピザを焼くゲーム。

 
 絵あわせパズル。
 まー、このへんは定番の知育っぽいゲームな感じがしますが。

 
 こちらはWiiリモコンを生かした釣りゲーム。
 タイミング良く釣り上げろ!
 これはカラダを動かす喜びがあります。

 
 一匹のアナゴが釣れると…。

 
 お寿司にすると、これくらい。
 これは数を学ぶゲームにもなります。

 
 大きなタコが釣れると…

 
 こんなにたくさんお寿司が出来ちゃう。
 寿司という形に変えることで、釣った魚の大きさを体感してもらう、という教育的な試みです。

 
 こちらは画面のあちこちにモノを置くことで、作曲できるツールです。
 一見すると作曲ツールに見えないですね。ピタゴラスイッチ的な感じといえばよいのかな?

 
 これは花火をつくってみようという遊び。
 火薬の色と飛び方をえらんで打ち上げると…。

 
 どーん!
 見事な大輪の花が咲きます。
 さっきの音楽ゲームと、この花火のゲームは、テレビでないと表現できませんね。

 
 そうそう、花火を上手に打ち上げられたら、セーブして保存しておくことも可能です。
 これはさっきの作曲のゲームなどでも同じです。

 
 それからそれから。
 動物の骨格はどうなってるか見てみよう、というゲーム。

 
 ゲーム性は皆無なんだけど、非常に教育的ですね。

 
 日本語の「と」と「か」の使い分けを勉強してみよう、というゲーム。

 
 3つの天気を「と」でつないでしまうと…

 
 まったくひどい目にあってしまう!

 
 何となく伝わると思いますが、画面がコミカルでマンガっぽくて面白いです。

 
 3匹の子ブタ。

 
 もう、ぱっと見た瞬間に「ポンキッキっぽい!」って感じ、するでしょ?

 
 ちなみにこの3匹の子ブタ君たちは、大きい方から順に「チャー」「シュー」「ドン」君なんですよ。

 イベントではこれらのゲームを軸にして、見知らぬ参加者同士でワイワイとコミュニケーションの輪が広がりました。
 

Wiiとテレビとポンキッキ

 さて、今回リトルスタジオインクさんは、なぜWii向けに知育ソフトを開発したのでしょうか?
 Wiiが人気だから? それとも、Wiiリモコンだとコドモでも操作しやすいからなのかな?
 スタッフの方からは、ワタシの予想外の答えが帰ってきました。


 「それは最近、テレビの画面が大きくなってきたから、なんです」


 ゲーム機の普及台数で言えば、WiiよりもDSのほうが普及台数が多い。
 だけど、DSだと小さい画面で「一人遊び」になってしまう。
 このゲームは、リビングの真ん中にある大画面のテレビで、家族みんなでコミュニケーションをするためのツールとして遊んで欲しい。そんな思いがこもっているのだそうです。


 また、今回の「あいうえ・おーちゃん」はゲームを全部、声でナビゲートします。
 リビングのテレビから流れるゲームの音声を聞いていれば、キッチンなどで家事をしているお母さんたちに「コドモが今リビングで何をして遊んでいるのか」が簡単にわかります。


 リトルスタジオインクさんが興味があるメディアはやっぱり「TV」で、それもリビングの真ん中にあって家族みんなで楽しむメディアとしての「TV」なのですね。

最後に

 というわけで、なかなか良くできた知育ゲーム「こども教育テレビWii あいうえ・おーちゃん」をご紹介しました。
 先に述べたように、このゲームはWiiウェアとして販売されています。このため、店頭に並ぶことがありません。
 つまり、「ゲームを買う前に、とりあえず触って遊んで確かめてみる」ということが出来ないんですね。


 んで、ワタシから一言。
 コドモ向けの知育絵本っていうと、なんかわけわかんない絵がいっぱい書いてあって、ちびっと字が書いてあって、ぺらぺらで、そのくせ1000円とか2000円とかして
「どないなっとんじゃー!」
って気分になっちゃいますよね?
 ソレと比べれば、このソフトは相当安いです。


 で、700Wiiポイントでゲーム1本だけ遊ぶ、っていうとさすがに飽きちゃうと思います。
 だから、思い切って2000円のWiiポイントカードを買って、それでめいっぱいゲームを追加して、遊んでみてください。
 「2000円の知育絵本を買う」とか「2000円の知育アニメDVDを買う」と比べれば、あいうえ・おーちゃんは相当コストパフォーマンスが高いですよ。
 だってほら、このソフトで遊ぶコドモたちの笑顔を見てくださいよ!