ーOOO-カミソリと神田川
ということで、昨日に引き続き神田川下りの話なのであります。
神田川の上を、総武線が横切っていきます。
秋葉原に良く来るひとなら、このビリヤード場、見覚えありませんか?
ふだんは電車の窓から見下ろしているモノを、川面から見上げるというのは不思議な気持ちです。
斜めに走っている橋は、地下鉄丸ノ内線です。
地下鉄が川の上を走っている!という摩訶不思議なゾーンです。
この近辺は神田川の下を地下鉄千代田線、川の上を地下鉄丸ノ内線、さらにJR中央線総武線と、さらに車道も走っていたりして、「交通の5階建て」なんてなことも言われるのだそうです。
そして御茶ノ水駅の東にある聖橋をくぐりました。
うーん、このアーチ構造が実にすばらしい!
船でくぐるためにあるんじゃないか、そんな美しさです。
続けてお茶の水橋が見えてきます。
この日は土曜日だったこともあり、橋の上は人がごった返しています。
川下りをしている私たちを見つけて、みんな「あっ!」とか叫んでいます。
私たちに気がついた人は、まず間違いなく私たちに手を振ってくれるんですよね。
うれしくってこちらも手をふります。
おーい!
お茶の水から水道橋にかけて、神田川の緑は実に美しいです。
電車に乗っていてもついつい眺めてしまうほどなんですが、今日は船で間近に迫って見れる!
左右に目にまぶしいほどの緑。都会の渓谷ですね。
しかし、このへんはむかしからこんなに深い谷だったわけではないんだそうです。
江戸時代には、このへんの川は江戸城側しか整備されていなかったのだそうです。(写真で言うと左側)
台風などで大水になったときは、まず城と反対側の土手が切れるので、江戸城に被害が及ぶことはない…。そんな設計だったんだそうです。
このへんの土手は切れやすい…ということで、江戸時代はこのへんを「カミソリ土手」「カミソリ護岸」と呼んだそうです。
現在は土手はコンクリートで補強され、切れることはあり得ません。
しかし、1面コンクリートでは殺風景だと言うことで、植林が行われました。
現在では緑がすっかり根づいて、都心でありながら自然にあふれた風景となっているのです。
と言っている間に、水道橋の下をくぐります。
水道橋は東京ドームや後楽園ゆうえんちの最寄り駅。
横を見れば、ビルの隙間から遊園地の施設が目に入ります。
正面には後楽橋が見えてきました。
みんなが立ち止まって、こちらに手を振ります。
やっぱり都心を船が走るのは珍しいですよね。
おーい!
と、そこに作業船が停泊していました。
これは都の廃棄物運搬船です。
クルマと違って、船は醜態に巻き込まれることもありませんし、一度に詰める量も桁違いです。
ゴミをいったんこの施設に集め、ここから船にゴミを乗せて処分しにいくのだそうです。
「都心を船が走るのは珍しいんじゃないか」と思っていたのですが、実はそうではないのです。
ゴミ運搬船のように、あまり見えない形で、必要不可欠な仕事をするために、川はいまでも重要な交通機関の一つなのですね。
さて、ここで私たちの船は方向を変え、神田川から南へと分岐する「日本橋川」へと進んでいくのでした
ということで、この続きはまた今度と言うことで。(→続き)