ーOOO- 一杯のコーヒーに思いをはせる … 横浜開国博Y150


 さてさて横浜開国博Y150ヒルサイドエリアのレポートの続きです。
 今回は「Cafeハマまど」さんで、自分でアイスコーヒーを入れる体験をしてきました。これは1杯300円です。



 体験者一組ごとに一人、講師役の店員さんがていねいにコーヒーの入れ方を教えてくれます。
 今回のコーヒー豆は、東ティモール産のフェアトレードなものです。



 今回使うドリッパーは、穴がひとつで円錐状の「KONO式」コーヒードリッパー。
 一般的なドリッパーと違い、上手に注げばペーパーフィルターでもネルドリップに近い味わいを引き出すことが出来るのだとか。



 まずは豆を挽きます。
 グラインダーであっというまに挽くことが出来ました。



 挽き立ての豆は香りが違います。



 ドリッパーにペーパーをセットして、豆をむらなく平らに入れてやります。



 お湯の温度はハンドドリップだと85度が適温なのだそうです。



 いよいよお湯を落としていきます。
 細く細く、そーっと中心で「の」の字を書くようにして、中央部分にだけゆっくりとお湯を回し入れていきます。



 このとき、ペーパーの周辺にはお湯を回さないのがコツです(だからコレはちょっと失敗です)。
 いったんお湯をとめて、豆を蒸らしてやります。中央部分がまるく膨らんできているのが見えるでしょうか?



 中央部分のふくらみが潰れる前に、またお湯を注ぎます。
 ここからは注ぐお湯の量を増やしていってかまいません。
 一杯の豆から、コーヒーの適量は150CCくらい。



 これ以上コーヒーをとると、渋みやえぐみが溶け出してきます。また、ペーパーから落ちてくるコーヒーを最後までとると、これまた味が悪くなります。
 なので、適量になったらドリッパーを外します。



 氷の入ったグラスに移して、サーッとかき混ぜて一気に冷やしてしまいましょう。手早くキンキンに冷やすことが、アイスコーヒーのおいしさの秘訣です。



 ちょっと手間暇をかけるだけで、とても美味しいアイスコーヒーが出来ました。


 さて、このハマまどさんは、何をする団体なんでしょうか?

 ハマまどというのは「横浜の窓」という意味だそうです。
 『Open the window in your heart』を合い言葉に、知っているようで知らないこと、知ってはいるけど目をむけずにいること、そういうことに気づいてもらうための「窓」をひらいてほしいなぁと思っているそうです。
 で、たとえば目の前にあるコーヒー。わたしたちは消費者ですが、このコーヒーを作っている生産者がいるわけです。そしてコーヒー農園では、まだ幼い子供たちが危険な作業を行っていることがあります。学校に行けない子供たちもたくさんいます。
 そういうことのないちゃんとした農園から、ちょっと高くコーヒーを買って支援するというのがフェアトレードの概念です。
 また、このコーヒーを入れる水は、横浜の水道の水源である山梨県道志村の道司川の水です。水道の蛇口をひねれば水が出てくるわけですが、もっともっとさかのぼって山梨県の水源に思いをはせれば、山梨県の森を保全することが横浜の水道水をまもることに繋がります。
 消費者の立場から生産者を思いやることで、生産者と消費者に強いつながりができる、ということなんですね。
  
 コーヒー農家の皆さんが手間暇かけて作ったフェアトレードなコーヒー豆。
 それを使って、手間暇かけて自分で入れたアイスコーヒー。
 薫り高く、渋みが少なく柔らかい味わいのコーヒーで、とても美味しかったです。


 話の的がズレるけど「どっちの料理ショー」とかの番組って、シェフの手際や手間暇だけじゃなくて、素材となる食材を作った農家のみなさんの手間暇もひっくるめて「おいしそうだなぁ」って思うじゃないですか?
 だから、店に並んでいる状態だけじゃなくって、その向こうに繋がっている厨房で働くシェフや、食材を作っているヒトの手間暇に思いをはせれば、食事って単純に「うまい」「マズい」の二元論じゃなくって、もっとゆたかな世界が広がってくる気がしました。