ーOOO-木曜いいともの「つるブーのできるかな!?」は、要チェックやで!

つるブーのできるかな!?
 笑っていいとも木曜日の新コーナー。
 子ブタ役の笑福亭鶴瓶(つるブー)と、飼育員役の山口智充(ムチャゴロウ)が登場。鶴瓶は与えられた作業に挑戦し、制限時間内にどこまで出来るかをタモリを含むレギュラー陣が予想する。コーナー司会は南明奈

 なにしろあの笑福亭鶴瓶がブタの鼻をつけて「つるブーだブー」「こんにちはだブー」とかテキトーなことを言うのだ。大御所なのに…。
 首輪をした、つるブー。その先には、ぐっさんの演じる飼育員ムチャゴロウさんが立っている。善人そうなのに、本当に動物が好きなのかどうかわからない…という感じがスリリング。


 とはいえ、ワタシは番組を見ながらちょっと油断していたのだ。
 だって、木曜いいともだよ?
 そのとき、事件は起こった。
 みんなにヤイヤイ言われてた鶴瓶が「あのなー!」と食ってかかったら、ぐっさんが無理矢理押さえつけて、おもいきり振りかぶって鶴瓶のみぞおちに強烈なグーを喰らわせた(フリをした)。
 ちょ!
 と思いながら、ワタシはつい大爆笑!
 画面の中ではぐっさんが、「よーしよしよし…」と鶴瓶に無理矢理クッキーを食べさせようとしている。
 なんだこのコーナー、お昼休みはうきうきウォッチングじゃなかったのか…?
 しかしそれ以来、「ぐっさんはいつ鶴瓶にキツい一発を叩き込むのか?」が気になって、このコーナーからまったく目が離せなくなってしまったのだ。


 次の瞬間に何が起こるか油断ならない感じは、メインのコーナー進行にも及ぶ。
 たとえばある日の問題は、

 つるブーは、マネキンの首にネクタイを1分以内に結ぶことが出来るかな?

 これにタモリチームは「できる」、松潤チームは「できない」と書いたのだが、最後のチュートリアルはこう書いた。

 ネクタイをうまく結ぶことが出来ずに、イライラして「イーッ!」てマネキンの首を絞める

 そのとき、鶴瓶は「何ぃ!」みたいな顔をした。
 そして司会の南明奈は「ではタモリチームは「できる」、松潤チームは「できない」、そしてチュートリアルチームは「ネクタイをうまく結ぶことが出来ずに、イライラして「イーッ!」てマネキンの首を絞める」!ということで、つるブーにチャレンジしてもらいましょう!」
 

 おわかりだろうか?
 コレは「ボケ殺し」なのだ。
 つまり、チュートリアルはこう言っているのだ。
 まさか、芸能界の大御所の笑福亭鶴瓶ともあろうお方が、こんな単純でベタベタなボケはしないですよね? もっともっと僕らが想像も出来ないような、面白いボケを見せてくれますよね?
 そしておそらく鶴瓶は、まさに「それ」をやろうとしていたのだ。
 まさか、後輩のボケと同じ事をやるわけには行くまい… それも松竹芸能所属の自分が、吉本の若手芸人のボケに乗ったと思われてはメンツが丸つぶれだ。ちょっとでも似ていたらダメだ、どうすればいいんだ、もっと面白いリアクションは…
 しかし流れるように南明奈がコーナーを進行してしまったから、考える猶予は全く与えられないまま、鶴瓶はチャレンジに突入する羽目になってしまった。
 結果としてはネクタイ結びは「成功」したのだが、お笑い芸人としてのボケの瞬発力としては、鶴瓶チュートリアルに「完敗」してしまったのだ。


 生放送の命はハプニング性。次の瞬間に何が起こるのかわからないから、画面から目が離せなくなるのだ。
 そして今このコーナーは「視聴者の考えるいいともらしさ」からもっとも離れたところにあると同時に、「作り手の考えるいいともらしさ」を強く感じさせるコーナーとなっている。