ーOOO-Silen night, Holy night
クリスマスイブイブの夜。
電車のドアが開くなり、駆け込んできた女の子。
なーんか、ドアの前でやたらぴょんぴょん飛び跳ねてたんですよ。
ちょっと気になってそっちを見たら、ホームには友達が二人。で、その女の子たちもやっぱりぴょんぴょん飛び跳ねてた。
ニコニコしながら激しく手を振って。
ぴょんぴょん跳びはねて。
やっとわかった。彼女たちは手話してたんだ、ってこと。
僕には手話は全くわからないけれど、見てるとなんとなく気持ちが伝わってくる。
今日はたのしかったね。
また遊ぼうね。
きっとまた遊びに来るよ。
バイバイ。
発車のベルが鳴る。
みんなニコニコしながら、さよならと手を振っている。そのしぐさに微妙なゆらぎやひねりが加わって、全身で跳んだり跳ねたりしながら、なごりおしそうに会話を続けている。
電車のドアは閉まり、滑るように発車した。
それでも彼女たちは話し続ける。
駅のホームが見えなくなるまで、彼女たちの会話はつながっていた。