ーOOO-健康か否か、それが問題だ

 ちょっくら会社の健康診断に行ってきたですよ。
 健康診断の日の朝は、朝飯ぬきで軽く仕事をこなしてから病院に向かいます。腹が減って減って、健康診断の前に早くも死にそうです。
 ウチの会社のかかりつけの病院は、地元ではそれなりに大きい病院なのだ。古くからの歴史はあるけど伝統はなくて、というか、簡単に言うと大きくてボロっちい病院なのである。


 毎年ここに健康診断にくると、朝はかならず元気なおじいちゃんおばあちゃんであふれていて、
「ナントカさんは今日は来ないねぇ」
「あの人は今日はカゼらしいよ」
みたいなコントみたいな会話がマジで繰り広げられてたですよ。病院の待合室は、紳士と淑女の社交場だったのです。
 ところが今年はおじいちゃんもおばあちゃんもおらず、待合室はワリとシーンとしていたのでした。あんなに元気そうだったみんなが、今は病院にも来られないほど不健康なことに…などと考えると、さすがのワタシもしんみりしてしまいました。


 最初に検尿のカップをもらって、トイレにGOしました。いっしょに健康診断をする同僚と連れだって便器の前に立ち、
「オレ、出るかなぁ、さっきしちまったし」
「いやぁ、とか何とかいっても、出るもんですよ。ちょっとでいいんですから」
「あ、出た出た。…なんか色が濃いなぁ。水でうすめちまおうか」
「ちょっとでいいって、どれくらい入れればいいんだ?」
みたいなにぎやかな会話をしながら、各自自主採尿です。


 あれこれ調べてレントゲン等々の健康に関する各種の診断はつつがなく進行したのですが、体重が増えていて、過去最高値に。血圧も急上昇。見事な中年太り&成人病のコンボ。ちょっとヤバい状況です。たはー…。


 んで、健康診断でナニが苦手って、やっぱ採血が苦手で。
 痛いとかそういうのはどうでもいいんですよ。
 なんか、針がブッ刺さってるのを見るだけで嫌。
 血がいっぱい抜かれてるのを見るのが嫌。
 針が刺さった時は目をそらして、うつむいてその瞬間をとにかくやり過ごします。
「はい、終わりましたよ」
の声に振り向くと、机の上に置いてあったのはなんかヤケに太い注射器で、いつもよりたくさん血を抜いてあったみたいなので、見ただけでクラクラ。
「なんか、ずいぶんたくさん抜いたんですね…」
と尋ねたら、
「いえいえ、ほんの10ccですよ」
と、看護婦さんは笑っていました。


 体重過去最高、高血圧のワタシなのですが、ほんの10ccばかり血を抜いただけで、なにかものすごく力を奪われたような、ヘナヘナした腰砕けな気分になりました。
 へっぴりごしでよろよろしながら会社に戻り、なんだかすごく不健康なような気持ちになりながら時間を過ごしましたが、いやあ、その日の昼ご飯のうまいのなんの!
 ご飯が美味しくって食事が進むと、健康だなって感じ、しますよね!
 まあ、そんなことをいっているからメタボになるのですが…。