ーOOO-広島焼きとオタフクソース

オタフクソース

 こないだワタクシ、みんぽすさんとグルメぴあさん主催の、オタフクソース島風お好み焼き教室に参加してきたですよ。
 このお好み焼き教室は、全国5カ所のオタフクソースお好み焼き研修センターで体験することが可能です。自分の手でおいしいお好み焼きの焼き方を学ぶことが出来て、それを食べることが出来て、しかも料金は700円。ちょっとコレ、安くないですか?

 で、焼き方を学ぶと共に、広島焼きの歴史などについてお話をうかがってきました。

広島焼きの歴史とオタフクソースの歴史

 そもそもオタフクソースはソースの会社ではありませんでした。
 創業は1920年のこと。醤油や酢の卸売業「佐々木商店」として始まりました。その後1938年に醸造酢「お多福酢」の製造販売を開始します。この「お多福酢」は大ヒットし、のちに「お多福酢株式会社」と社名を変更しました。


 1945年8月6日、米軍は広島へ原子爆弾を投下。
 広島は焼け野原となり、オタフクも工場の一切を焼失しました。
 戦後まもなく、広島にヤミ市が立ちます。少ない野菜、米軍から配給される小麦粉。わずかな材料を使って、いかにお腹を膨らませるか? この試行錯誤の中で、広島風お好み焼きの原型が作られていきます。


 話はさかのぼりますが、大正時代末期から昭和初期に掛けて「一銭洋食」という食べ物がありました。これは駄菓子屋の店先などで小麦粉を水で溶いたものを鉄板で焼き広げ、ウスターソースを塗って食べるものです。値段は一銭。子供たちが気軽に食べるようなものでした。
 この一銭洋食が広島風お好み焼きのルーツになったと言われます。


 広島風お好み焼きは、薄く塗り広げた小麦粉の生地の上に、山盛りのキャベツなどの具をのせてひっくりかえし、野菜を蒸し焼きにするスタイルです。
 このとき、ウスターソースでは水っぽいために、生地の上から流れ落ちて焦げてしまう。もっとトロみのあるソースが必要とされました。 
 そこでオタフクは、トロみのあるソースを開発。このとき、広島風お好み焼きに合うようなソースの味の試行錯誤が繰り返され、いまあるような独特の甘さと奥深いコクのある「オタフクソース」が生まれたのです。
 1950年にソースの製造販売を始めたお多福酢株式会社ですが、そのうちにソースの売り上げがグングンと伸びていき、1975年に「オタフクソース株式会社」に社名を変更したのでした。

オタフクソースの作り方

 今回はブロガー向けということで特別に、「オタフクソース」を実際に目の前で作っていただきました。(これは通常のお好み焼き教室では見られません)
 テーブルの上にはズラッと材料が並びます。
 トマトをすり下ろしたモノが大量に入ることがわかります。
 ほかにも、デーツと呼ばれる甘い南国の果実や、リンゴや桃などが入ります。
 これらが自然な甘みを生み出しています。

 ほかにもポークや牡蛎のエキスでうま味やコクを出しています。
 ショウガやニンニクだけでなく、20種類以上の香辛料<が入ります。
 さらに、ウスターソースを作った時にタンクの底にたまるドロッとした部分も加えて、味に奥行きを加えています。

 これらの材料をどばっと鍋に入れて、あとは焦げ付かないようにグルグルかきまぜ続けるだけです。
 なにしろ1日に8万リットルものソースを作るというお話なので、手作業ではなくて機械で作っているそうですが、基本的には工場でも同じことをしているそうです。

 そうこうするうちにとろみが付いてきて、色が濃くなってきます。見た目にソースっぽさが増してきましたよね?
 煮詰めることでとろみが出てくるのですが、さらに片栗粉も入っているというお話です。
 このとろみがお好みソースのキモなのです。


 火を止めて、最後の最後に酢を加えてやります。
 これは酢の風味を壊さないようにする意味と、酢の殺菌効果を生かすという意味があるそうです。
 だからソースはこの酢の力で痛みにくくなっているんだとか。
 

「ソースは保存料を使っていませんが、日持ちするのはこういう理由なんですよ。あ、開栓後は冷蔵庫に保存で、3ヶ月以内に使い切ってくださいね」
とのことでした。

 最後に、この出来たてソースを揚げたてカツにのせて、試食してみましたよ。
 出来たてソースは甘みと酸味が強く、とてもサッパリとしていました。


 できたてのオタフクソースはお肉に併せるにはパンチが弱い印象。広島風お好み焼きに併せた時にベストマッチになるように作られているんですね。
 と思っていたら、ズラーッと並ぶオタフクソースの製品群。
 あらゆる料理、みんなの好みに合わせて、いろいろなソースが開発され続けているんですね。
 
 オタフクソースは、広島風お好み焼きにベストマッチになるように、様々な試行錯誤を繰り返して作られた定番商品です。
 そういう探求心や試行錯誤の心は、オタフクソースの中に今も息づいているのです。


このレビューはWillVii株式会社が運営する レビューサイト「みんぽす」から招待されたイベントに参加して書かれています。本イベントへの参加及びレビュー掲載への対価はありませんが、試食やお土産は提供されています。また、WillViiは掲載内容に一切関与していません(本情報開示と事実誤認時の修正を除く)。
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