ーOOO-「立入禁止!」の工場見学 … サントリー天然水白州工場

 
 そういうわけで、サントリーさんの白州蒸溜所見学ツアーのオハナシの続きなのであります。
 思えばワタシが2年前にはじめてブロガーミーティングに参加したのが、この白州蒸溜所見学だったのであります。
 懐かしいウイスキー博物館の屋根!
 白州よ!
 ワタシは帰ってきたッ!

 ところで話はそれますが。
 フツーの観光ツアーと、ブロガーのツアーの大きな違い。
 それは。
 よりよい角度で建物を収めようと、ブロガーはあちこちの角度から写真を撮ったりするのであります。

 食事の瞬間も、みだりに気を抜いてはならない…ッ!
 食べる前に、撮る!
 とにかくブロガーってヤツぁ、写真を撮るのであります。
 もちろんオイラも撮るッ!
 食べる前から目で味わう。じつにうまそうだ!

 …けど、山の中なのに、海鮮丼とはいかがなものか? などと思っていると、
「本日の一品はニジマス丼でして…」
 ハッ! 川魚かっ!
 うっかりしたことをつぶやいて、恥をかくところだったわい…。

 見知らぬみんなでしたが、吊り橋をわたったり食事したりで、だんだんうちとけてきました。
 腹ごしらえがすんだところで、こんどは天然水工場の見学です。
 このふとーい道路が、白州の工場の通路。天然水の工場までは、ここからバスで移動です。広い!

 
 このピカピカな建物が、サントリー天然水白州工場です。2010年の春に工場を建替えたばかりだそうです。
 敷地が広すぎるので建物が小さく見えますが、製造からボトリング、そして出荷する製品の倉庫までをそなえた、かなり大きな施設です。

 工場内には中庭があったりして。
 森とともにある工場なので、環境面に配慮しています。
 工場内の排水は浄化され、その多くが再使用されます。
 工場の屋根にはソーラーパネルを設置。工場の使用電力の約20%をまかなっています。

 先日紹介したように、この白州工場の水は甲斐駒ヶ岳などの南アルプスの水。花崗岩層に磨かれた水は、硬度30の軟水です。
 それを、工場の敷地内9カ所に設置された井戸からくみ上げています。


 
 この天然水工場で行われる行程は、大まかに言って次の4つです。

  1. 原水検査→濾過・殺菌
  2. ペットボトル作り
  3. ボトリング
  4. 包装→検査→出荷

 ワタシが驚かされたのは、ペットボトル作りの工程でした。
 なぜ天然水工場でペットボトルを作るのか?
 それは、そのほうが衛生的だからなのだそうです。

 使う直前にペットボトルを工場内部で作れば、異物混入の可能性を少なくすることが出来ます
 上の写真の試験管みたいなモノを用意しておいて、製品を作る直前にコレを一瞬で膨らませます。

 とにかくこういう工場では、異物混入や細菌の混入には気を付けなければなりません。
 その点、高度約1000mの南アルプスにあるこの工場は、人里離れた山の中。付近には工場も少なく、すぐそばには国立公園。空気が澄んでいるので、異物や細菌が混入する可能性は少ないのです。
 もちろん、それだけでは不十分です。
 衛生面を考え、サントリーの天然水白州工場は完全に密閉されたクリーンルームの中で作業が行われています。その衛生基準は、医薬品を作る工場と同等だとか。
 ということで私たちは工場見学に来たのですが、工場の中に入ることは許されませんでした。ガラス越しに、立入禁止のクリーンルームの中の製造ラインを見学しました。

 この日は土曜日と言うこともあってか、工場のラインがうごいていなかったので、スクリーンを使って解説が進められました。
 森の風景が写ってますが、その画面の中にワレワレの映像が合成されています。
 コレ、ついつい浮かれてしまいます。

 これは、できたての清潔なペットボトルに、天然水を詰めていく作業を行う機械の説明図です。
 ペットボトルは、水を詰める前に「異物が入ってないか」などの検品が行われます。
 くみ上げた水は濾過して高温殺菌、衛生管理の徹底がはかられます。

 さらに、ペットボトルにキャップをするマシンの説明です。
 これらの作業は流れ作業で、高度な無菌環境を保つことの出来る「クリーンチャンバー」というマシンの中で行われています。

 マシンの窓から、変な手袋が見えますか?
 これは下の穴から繋がっている手袋で、機械の内部を清掃する時などに使います。
 こうすることで、機械の内部は常に外気と遮断され、また機械の内部に人間が触ることがないように出来ているのだそうです。

 と、これがサントリーの誇る最新鋭天然水工場の全貌でした。
 参加者の中からは、「これだけピカピカの工場を造ったら、『どうぞ見ていってください!』って感じで、ついつい見せたくなっちゃうよねぇ」という意見もありました。
 誰に見せても恥ずかしくない、最新鋭かつ衛生的な工場だと感じました。


 ところで考えてみれば、飲料水に含まれる砂糖というのは、保存料の役割も持っています。砂糖が入っていることで、腐りにくくなるのです。
 お茶はカテキンが入っていて、これには殺菌効果があります。
 ビール、ウイスキーにはアルコールが。もちろん殺菌効果があります。
 じゃ、生水は?
 保存料を入れるわけにはいかない。アルコールはおろか、カテキンだって入れられない。
 そう考えると、サントリーさんが必死で衛生管理を徹底する理由がワタシにはよくわかるのでした。


 ということで、「立入禁止!」の、超ハイテクかつ衛生的な工場の見学レポートでした。
 そそそそ、白州蒸溜所のレポートは続きますよ。