ーOOO-ビンゴビンゴ
会社の忘年会の幹事をやっているのである。
以前の弊社は、不景気を理由に忘年会も新年会も無くなっていた。これではいかんと3年前にワタクシがおっかなびっくり忘年会を呼びかけたところ、30名近く集まったのでおどろいた。30人というのは弊社の全従業員とパートさんをあわせたうちの3分の2くらいの人数なのである。
以後毎年続けているウチに規模は少しずつおおきくなり、今回は40名が参加。ほぼ全員参加のイベントとなったのである。
さて、弊社の忘年会の目玉はビンゴ大会なのだが、景品を買ってくるのはなかなか大変だ。
景品に喜んでくれて「またよろしくお願いします」となればこちらもうれしいのだが、なかなかそうもいかない。みんなの好みは違うものだし、年齢層も性別も家族構成も違う。
ビンゴを楽しみにしている人も多いのだが、「やらなくてもいいんじゃないの」と言う人もいる。やらないほうがラクなんだけど、正面切ってそういわれちゃうのも傷つくものだ。
以前、ヌンチャクを景品で出したことがあった。周りの人は大爆笑ですごい盛り上がったのだが、当たった本人はスゴいショックだったらしくて「あの人、あのときものすごい落ち込んでたよ」と聞いた。景品でウケを狙いにいってもマズいらしい。
自分が買いたい物を買うのと違って、「みんなに喜ばれるものを買う」というのは悩み方がずいぶん違う。
景品の予算はせいぜい1000円程度なのだから、買えるモノはたかがしれている。
ドンキホーテで「コレはお買い得だ!」という品物を買ったとする。これをいざビンゴ大会の景品に出して見ると、価格相応に見えない…というかむしろ安っぽい商品にしか見えない、という摩訶不思議な現象が起こる。結果、喜ばれない。
なんだか今年はビンゴの景品への期待がものすごい高まっちゃってて、そのプレッシャーがスゴい。
弊社の後輩君などなどを巻き込んで、作戦会議をする。
「アレを買ったらいいんじゃないか」「いや、喜ばれないでしょう…」「じゃあコレは?」「うーん…」
「文句を言われないようにするにはどうすればいいんだろうねぇ?」
どうも話が盛り上がらない。
と、ここで後輩君がこういった。
「でも、みんな文句ばっかり言ってるみたいだけど、結局みんな参加してるし、っていうか参加人数は増えてるわけですよねぇ? ってことはみんな楽しかったと思ってるわけですよね? 楽しかったって評判だから、参加者が増えてるわけですよね?」
ああ、そうね。
そうだよねぇ。
悩みを忘れて、「いままで幹事をやってきて良かったなぁ」と、しみじみ思ったワタクシなのであったよ。