ーOOO-ランドセルには思い出がいっぱい

(4/5追記)

 現在、ランドセルの寄付は一時中止になっています。(この記事の最後にも追記があるので参考にしてください)

「今回の地震の被害にあった子供たちに、ランドセルを送ろう、っていう運動があってね」
「あー、なるほど。津波で流されちゃったり泥だらけだったりで、子供たちもかわいそうですもんね。ええ話や…」
「でさ、ウチの娘たちのランドセルを寄付しようと思ったワケよ」
「ええ話やで…」
「したら、高校生のお姉ちゃんのランドセルはキレイなんだけど、今年小学生を卒業したばかりの妹のランドセルはダメなのよ」
「あ、乱暴にしてたからボロくなってた、とかですか?」
「違うのよ。小学校を卒業するときに友達同士で、ランドセルに寄せ書きしてきてたんだよ」
「うわ、初耳!そんなのあるんですか!? でも、ソレもなんかイイ話ですねぇ」
「高校生のお姉ちゃんは『アタシの頃はそんな寄せ書きなんか無かったよ』って言ってたから、つい最近はじまったんじゃないかなーと思うんだけど」
「サイン帳に寄せ書きするのとも違って、6年間の思い出が詰まったランドセルにサインするから、宝物ですよね」
「くそー、『寄付するから、お前のランドセルの寄せ書きを消してやる!』って言えば良かったか…」
「ヨソの子に親切にするために、自分の娘を泣かすとは…。鬼やで…」
「だって、サインさえなければピカピカなランドセルなんだぜ?」
「あ、じゃあ娘さんは6年間大事にランドセルを使った、ってコトですねっ♪」
「それもそうだな…」
「お姉ちゃんのランドセルも寄付できるくらいピカピカだったみたいだし、物を大事にする娘さんたちじゃないですか」
「でもね、ホントいまどきのランドセルって丈夫なんだよ」
「そういうモノなんですか?」
「うん、なんかさ、オレらの頃って、ランドセルはどんどんボロくなるもので、ペッタペタになって、小学校高学年くらいになるとランドセルじゃなくてバッグで学校に行ったりしたじゃんさ?」
「あー、なんか運動部の奴らはプーマとかアディダスとかのスポーツバッグ使ってましたよね」
「あとマジソンバッグとかな」
「いや、オレ、そういう世代じゃないんで…」
「…。あそう。…でさ、その頃に比べると、今どきのランドセルってホントしっかりしてて丈夫なんだよ」
「へー。」
「6年使っても、型崩れとかぜんぜんしないんだよねー」
 ということで、ランドセルが一つ、被災地の子供たちに届けられることになったのです。


 このランドセルを送る運動は、ランドセルメーカー「協和」さんの発案によるものです。

 津波に流されたランドセルの写真を見た同社がランドセルの寄贈を発案。同社の新品ランドセル3000本を寄贈するとともに、さらに不要になったランドセルの寄贈を広く呼びかけました。
 これがメディアに取り上げられ、電話が殺到。
 1週間で1万本以上のランドセルが集まり、工場の中に置き場が無くなるほどで、現在は募集を一時中止しているほどです。
 寄贈されたランドセルの多くには、送り主からの「頑張ってください」といった暖かいメッセージが添えられているそうです。ランドセルは現在、社員の皆さんが総出で修理とクリーニング、磨き上げを行ない、出荷を待っているそうです。(→作業の様子)


 が、協和さんが各自治体に「寄贈したい」と申し出たのですが、寄贈先がなかなか見つからない、ということだそうです。現地はまだまだ混乱していて、物流も整っていないような状況なのではないでしょうか。
 ということで協和さんは現在、「被災地からの転校生も含め、必要としている人の情報がほしい」と言うことでした。


 さらにさらに調べてみたところ、協和さんだけでなく、多くの人や企業がランドセルの寄贈運動を行っています。

 そのほかそのほか。
 集まった数が多すぎるんじゃないかという気もしますが、被災地域の新入生だけでおよそ5万人、小学生は全部で25万人くらいになるのだそうです。(→FNNニュース)これらのランドセルが、必要としている子供たちに届きますように。


 その一方で、こんなニュースも。

 被災地の学校のがれきの中から、子供たちの思い出の詰まったランドセルを探す先生のお話です。
 そうですよね、誰かのランドセルとか新品とかじゃなくて、ぼろぼろでも自分の思い出の詰まったランドセルを使いたいモノですよね。


 ちょっとまとまらないのですが、「ランドセル」という切り口でこれだけ話が出てくるのは、一つ一つのランドセルには思い出がたくさんつまっているからだなぁ、などと思いました。