ーOOO-東京駅地下拉麺小路 疾風八番勝負 … 東京ラーメンストリート

 
 ということでいよいよオープンした東京駅地下の東京ラーメンストリートなのですが、それぞれのお店がどんなラーメンを出しているのでしょうか? コレはひとつ食べ比べなければならないッ! っつーことで、実食してきたのでそのレポートを。

 全部で8軒あるお店のうち、2年前にオープンした4軒についてはレポート済みですのでそちらをどうぞ(→東京駅地下拉麺道 疾風四番勝負)。とはいえ、それぞれのお店は今回のグランドオープンにあわせてパワーアップしたようなので、そちらもいずれ食べてみたいところです。
 で、先にざっくりと雑感を。
 これまでの4軒は札幌味噌、鶏だし塩、極太醤油つけめん、海老だし味噌と、それぞれに個性的なお店が多かったです。で、そのなかで人気が高かったのは極太醤油つけ麺の「六厘舎」さんでした。
 新規にオープンする4軒は、この東京ラーメンストリートでは「極太醤油つけ麺」が人気であると言うことを踏まえて、東京駅店限定のメニューとしてそれぞれに個性的な醤油ラーメンを用意してきた、ということを強く感じました。
 ではそれぞれのお店の紹介です。

『東京駅 斑鳩


 東京を代表する名店が、九段本店以外で初出店。
 動物系スープと魚介系スープをブレンドしたバランスの良いスープが特徴。
 東京駅店だけのオリジナルメニューをぜひご賞味ください。

 

写真は『東京駅らー麺』+煮卵トッピング 980円

 魚介系スープに豚骨をあわせてあるが、脂ひかえめでスッキリ感がある。中太のストレート麺はパスタ的でもあり。
 トッピングにはメンマの代わりに、タケノコの先の部分の水煮をつかってあり、甘くやわらかくて美味しいです。


 それでですね、ワタクシ個人的には、ウチで作るひやむぎを思い出したですよ。
 我が家のひやむぎは、めんつゆがあたたかいのです。めんつゆを適当に割って煮立て、そこに豚小間とタマネギを投入してひと煮立ちさせ、それをすこし冷まします。こうして出来た「かつお昆布だしのめんつゆ+豚エキス」というスープが、ひやむぎに良いのですよ。我が家的には
 で、この斑鳩さんの『東京駅らー麺』は、我が家の「ひやむぎ」の味に似ているのですよ。しょっぱくなくて、丸い感じとか。あと麺が中太ストレートで、ひやむぎ的というかうどん的というか。
 いやーまさかこんなところで「オフクロの味」に出会うとは思わなかったなぁ。個人的にちょっとしみじみしてしまったですよ。
 他店の醤油ラーメンはしょっぱいモノが多い中、甘くて丸い醤油ラーメンというのは貴重で、個人的にはとても大好きな味でした。

『麺や七彩』


 麺の美味しさを最大限に引き出す”王道”醤油ラーメンの名店が、都立家政本店以外で初出店。
 「無化調スタイル」の先駆者。
 昼(醤油)と夜(味噌)が異なる「二毛作」営業。

 

写真は『喜多方らーめん』+味玉トッピング 850円

 七彩さんは店先で製麺を実演していて、出来立てのちぢれ麺を使っています。ちぢれ方や麺の太さが微妙にバラバラで、手作り感が嬉しいところ。一箸ごとに麺の舌触りが違うし、麺にスープが良く絡みます。
 チャーシューは塩とコショウがよく効いています。
 歯ごたえがシャッキリしたメンマが、麺と同じくらいの細さに切ってあって、シャキシャキ感が箸休めに面白いです。
 味玉の黄身の部分がトロトロで、甘さを感じます。
 スープの醤油はとても香り高くて、鰹だしと相まって、喜多方ラーメンらしい…というか、蕎麦つゆでラーメン食べるみたいな「中華そば」を思い起こしました。
 脂っこさも塩気もホドホドで、味にとがった部分は少ないのですが、「あ、コレならオレ、毎日食べてもイイかなぁ?」という安心感のある味付けになっています。


 で、醤油ラーメン専門店の「七彩」さんなのですが、夜になると味噌ラーメン専門店の「江戸甘」に変わると言うことなので、こんどはぜひ味噌ラーメンも試してみたいところです。

『麺処ほん田』


 開店後わずか3年の新進気鋭の行列店が、東十条本店以外で初出店。
「温故知新」をテーマに、弱冠24歳の店主が作り出す完成度の高いメニューはさらなる進化を遂げる。

 

写真は『鶏と魚介の豊潤醤油ラーメン』+味玉トッピング 850円

 なにしろ驚くのが、赤身の残るチャーシュー。…というか、ローストビーフみたいな感じじゃないですか? 食べた感じも豚っぽくなくて、牛っぽかった気がするんだけどな…。
 菜っ葉の茎の油炒めが良い付け合わせになってましたし、山盛りの千切り長ネギがシャキシャキして口をサッパリさせてくれました。
 さて肝心のラーメンは、固めの細ストレート麺に、煮干しと鶏のスッキリ醤油スープです。スープを飲み干すと、後味に丸さを感じました。
 個人的に煮干しダシのラーメンはあんまり好きじゃないんですが、ココのラーメンはかなり良かったです。考えるに、「魚介系ラーメンとして煮干しをガツンと効かせてある」のじゃなくて、「鶏ダシとバランスを取るように煮干しを使ってある」のが良いのではないかなー、と。
 この日は醤油ラーメンばかり食べてきたんですけど、それぞれのお店の個性を感じました。

『ジャンクガレッジ』


まぜそば」というジャンルを確立した名店が、ついに東京へ帰還。
 たれと旨味を凝縮したスープと弾力のある超極太麺をまぜながら食べる新感覚のラーメン。
 進化を遂げた「まぜつけ」は当店限定。

 

写真左は『特製まぜそば』 950円

写真右は『ラーメン(大盛り)』+野菜・豚・ニンニク増し 1150円

 ワタシは右の巨大な大盛りラーメンを頼んだんですが、あまりのデカさにみんなで写真を撮りあってしまった一品です。こんなにデカくて1150円、それも日本橋で!?
 スープは醤油とんこつ味。ちょいっと塩辛くて、「マシマシ」したときにちょうど良いような味付けになってるんだなーと感じました。
 あ、まぜそばが名物なのに、食べ損なっちゃったな…。いずれこちらもチャレンジしてみたいです。


 ところで超余談なのですが、イベントで食べてみたら驚くべきコトに、その日のスープはタマゴの味がすごく強かったんですよ。で、醤油でも豚骨でもなく、全く新しい「タマゴ味」というジャンルを作ったのではないか!? と感じ、コーフンしました。
 そのことを後日、会社の後輩君に話したら
「あれ、おかしいですね? ウチの近所にもジャンクガレッジありますけど、そんなコトなかったですよ?」
 ということで、オープンして3日目の東京ラーメンストリートに再取材です。
 
 いやー、夕方の食事時に行ったから仕方ないけど、並ぶ並ぶ!どのお店にもすごい行列。 この日のジャンクガレッジさんは1時間待ちだったですよ。
 で、食べてみた結論。
 ちょっと濃いめのの醤油豚骨味でした。
 あのタマゴ味は、あの日のワタシだけの幻ということで。ええ。


 グルメ系レビューで難しいなーと思うのが、こういう部分ですよね。
 作る側はたまたまいつもと違う味なのに、食べるこちらは一期一会だから。
 で、そのときの印象をブログとかグルメレビューサイトに書くと、ワーッと広まっちゃうし。
 あと、食べるときの体調によっても味の印象って変わるし。お腹をすかせた一軒目の取材と、お腹いっぱいになってからでは感じ方が違う。あと、体調とかね。
 今回ワタシはなるべく公平になるように書いてみたつもりだけど、まだまだです。


 で、何が言いたいかというと、まあ、みんなも食べてみてよ、ってコトで。
 記事を読んで味わったつもりにならないで、みなさんもぜひ東京ラーメンストリートで食べ比べをしてみてはいかがでしょうか?


 あ、最後に一つだけ、東京ラーメンストリートさんにお願いしたいことを。
 こういう場所だと、アレコレ食べ比べをしたいお客さんは多いはずだから、ランチタイム以外は「ミニラーメン」をメニューに加えてもらえるとうれしいです。ぜひよろしくお願いしまーす。
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