ーOOO-オオカミ少年に気を付けろ!

 ウチの会社にウソまみれのトリビアを教えてくれる冗談好きの人がいるのだが、ウソに担がれてばかりの後輩君がこういった。
「もう、そんなにウソばっかり言うと、センパイはオオカミ少年みたいに誰にも信じてもらえなくなっちゃいますよ」
「あ、ところでオオカミ少年って、『オオカミが来るぞーっ』って話をみんなに信じてもらえなくなって、最後どうなるんだっけ?」
「なんか…食べられちゃうんじゃなかったですか?」
「えー? ウソつき少年だけがオオカミが来るって事を知ってたのに、どうして食べられちゃうのさ?」
「そうですよね…。ウソつき少年はオオカミが来ることを知ってたんだから、逃げるはずですよね。ならば食べられるのは、オオカミが来るって事を信じなかった町の人たちのハズですよね」
「普段ウソをついていることが問題なんじゃなくって、むしろ、オオカミが来ることを知ってたのになぜ彼が食べられたのかの方が不思議じゃね? ウソつき少年はバカだったの?」
「あ、アレじゃないですか、『ウソばっかりついてヤンチャしてたけど、街のみんなをオレがこの手で食い止めなけりゃ!』って、カラダを張ってオオカミと闘ったんじゃないですか?」
「ええ話や…『街のみんなを食べるくらいなら、オレを食べろ!』みたいな?」
「『ボクの顔を食べてよ!』みたいな?」
「なんだかもうオオカミ少年じゃなくて、アンパンマンみたいな話になってきたなぁ」