ーOOO-ゆめうつつ

 布団にひっくりかえってダラダラしていてもなかなか眠れない夜もあれば、猛烈な眠気に襲われて気絶するように眠る夜もあるわけなのです。ですよね?


 さっきは、ふんわりと眠気に包まれていく感じだった。
 見るでもなくテレビをつけながら、何度も読んだはずの枕元のマンガをダラダラと読み直していたら、なんとなく読む気が失せて。
 本を閉じて。
 テレビを切って。
 目をつぶって。
 布団内部の温度と自分の体温が、良い感じにシンクロを。
 布団と自分の境目が無くなって、溶け込むかのような一体感が。
 そして眠さのビッグウェーブが襲ってきたのだった。
 しかしそれは瞬間的に自分を彼方にさらっていくような眠気ではなく、かといって現実感のない夢うつつという感じでもなく。
 例えるなら、休日なのに早く起きちゃった朝に、まだまだ眠ってて良いんだな…と、まどろむ感じ。アレだ。二度寝的な。
 まだ夢の中ではないけれど、こころよい眠気が。
 もうちょっとで意識が途切れて眠ってしまいそうなスレスレのところで、眠りすぎず、かといって目覚めないように。非常に気持ちいいところで眠りをコントロールしつづけ、トロトロとまどろむワタシ。


 しかし、部屋の電気がつけっぱなしだった。ほうっておいても眠れるんだけど、部屋が明るいと朝起きたときに目がカパカパに乾いていることが多くて不愉快だ。
 寝覚めの快適のためには、部屋の電気を消さないと。
 しかし今の半眠状態が幸せなのに、布団から抜け出すことでその幸せを手放せるだろうか?
 まあいいや。眠ることにする。


 だけど今度は尿意が襲ってきた。
 ほうっておいても眠れる…いやいやいや。
 仕方が無いのでトイレへ。ついでに部屋の電気も消す。
 目をつぶって、天井をにらみつける。
 ちょっとひんやりした布団はどこかよそよそしくて、さっきまでの布団との幸せで絶妙なシンクロ率はどこへやら。
 …眠れん。