ーOOO-映画の話をポツポツと
近況がこんがらがってて書くのが大変なので、思い出したところから映画の話をポツポツと。
ブラックスワン
やたら冷房の効いた映画館で見たんですけど、身体の芯までヒンヤリしましたな。
コレ自体はあんまり感心しなくて消化不良だったのですが、いつかちゃんとしたバレエを見ておいたほうがいいかなーなどと思ったり。そのうち周防正行監督の「ダンシング・チャップリン」を見に行きたいです。
映画通ぶるならホメておくべき作品だろうなーという気はしますね。でも、今敏監督のパーフェクトブルーのほうが好きかなー。
上映中、時間は気になりませんでした。パンフレットは買いませんでした。テレビで放送されても見ないです。友達にはすすめないです。
冷たい熱帯魚
埼玉愛犬家連続殺人事件を下敷きにしたエンターテイメント作品。
エコやら節電やらがうるさい昨今、完全に冷房を切ったと思われる劇場、キネカ大森で拝見。平日の昼間なのにちいさいスクリーンにはお客さんが8割ほどの入り。ムンムンとした異常な熱気の中、スクリーンの中では目を背けたくなるようなシーンが起こりつづけたのでした。
埼玉愛犬家連続殺人事件については、後に出所した共犯者が自らその異常な凶悪殺人事件を書き記した本があって(「愛犬家連続殺人」-amazon)、どちらかというとそちらを読むのがオススメ。
でんでん演じる殺人鬼の造形が魅力的。でもそれは愛犬家連続殺人の主犯の男が持つ闇のオーラがあまりにも魅力的だからだ。実在の事件からシナリオがそれても、男はスクリーンの中でエネルギッシュに動きつづける。
吹越満が演じる主人公は頼りない男で、事件に巻き込まれながらも傍観者でありつづけることしかできない。殺人鬼の所業を止めることが出来ず、直視することも出来ず、ただうろたえつづける。しかしその事は、どうしたって傍観者になるしかない観客との一体感を生む。逆に言うとこの物語の主人公の役割は傍観で、カメラマンの役を果たしていたのだ。
物語の終盤、事件は大きく動く。
実在の事件から大きく離れ、主人公が、監督が、「コレはドキュメンタリーじゃない、オレの映画だ!」ということに目覚める瞬間が来たのだ。主人公はやみくもに動き、意外性のあるオチを求め、さまよう。見ているワタシに「このへんがオチかなー?」と思わせる部分をいくつも超えて、物語はすっきりしない位置と角度で終わる。
結局、でんでん演じる殺人鬼を…というか実在の猟奇殺人事件を、映画はねじふせられなかったということだ。
しかし、ラストのスプラッター描写はすさまじく、監督が撮りたかったのはまさにこの部分らしいので、そういうふうに見るとこれはエンターテイメントなのだった。
上映中、時間は気になりませんでした。パンフレットは買いたかったんんですが品切れでした。テレビで放送されても見ないです。友達にはすすめないです(むしろ原作本を薦めます)。