ーOOO-飛行機コワイ

 先日、どこぞの飛行機の機長がトイレから戻ったときに、副操縦士コクピットのドアを開けるつもりで誤ってそばのツマミをグイッとひねったために、飛行機が失速したとか、背面飛行したとか、そんなニュースがあった。
 いやいやいや、コワイですねー。
 仕事をしながら後輩君と、そのニュースの話になる。
「いやしかしコワイね! 背面飛行だとか、失速だとか!」
「はぁ」
コクピットのドアのツマミのそばの、うっかり間違えて操作しやすい位置に、垂直尾翼を動かすツマミがあったらしいよ」
「はぁー」
「コレはアレだね! オレのカンだと、今までも似たような事故が何件もあったに違いない、と思うんだよ!」
「あー」
「ちょっと胸に手を当てて考えてみ? 『ひょっとしたらアノ時に「気流が乱れております」とかいって飛行機が揺れたのは、コレのせいだったんじゃないか…』とか」
「うあー」
「ちょっと思い出してみ? 飛行機で乱気流に揉まれた経験を」
「うーん」
「あ、ちなみにオレは飛行機に乗ったことないんだけどね…」
「あー」
「アレかい? ひょっとして君も飛行機に乗ったことないのかい?」
「いや…。えっと、自分は高校の修学旅行の時に、一回だけ…」
「おー! いいなぁ!」
「いや…。いいなぁ、っていうか…。あの、自分の場合は札幌から東京に帰ってくるとき、帰りの片道だけ飛行機だったんで…」
「ふーん。乱気流に巻き込まれたりした?」
「いや、それはなかったんですけど、自分の場合は、あの、飛行機が着陸する寸前で、タイヤが出ないとか言われて」
「えーっ!」
「で、『タイヤが出ないので、いったん上空に戻って、再着陸します』とかいって」
「ふんふん」
「そしたらまた『今回もタイヤが出ないので、もう一度チャレンジします』とかいって」
「いや、マジで怖い!」
「だからなんかもう、飛行機っていうのはそういうモノだ、って感じがして、なんかもう、乗りたくないんですよね…」