ーOOO-クイズの秋がきた

 みなさんはご存じでしょうか?
 アメリカ版のクイズミリオネアで本当にあった、こんな出来事。
 主人公はライフラインを1度も使うことなく、14問目まで正解したジョンカーペンター という男性。
 彼は15問目で初めてライフラインのテレホンを使い、父親に電話をかけました。しかし彼は答えを尋ねるのではなく、こう伝えたのです。
  「やあ父さん。助けはいらないんだ。
   ただ、ミリオンをとれるってことを、先に伝えたくて」
 そして制限時間の八秒前、彼はファイナルアンサーを答え、見事に正解。
 予告通り、100万ドルを手に入れたのです。


 そんな奇跡を、今から皆さんも目撃できるかもしれません。


 今夜はTBSで「伝説のクイズ王集結!究極の超人頭脳は誰だ!?クイズ最強王者決定戦!〜ワールドクイズクラシック〜」という番組を見たですよ。
 クイズ好きとしては、久しぶりのガチなクイズを見た気がして、非常に良かったですな。


 さてクイズワールドクラシックの1回戦は、選手紹介を兼ねているせいか、ずいぶんと長かったですな。
 豪華なのが、画面に並ぶクイズ王の顔、顔、顔。
「あ、この人知ってる!」
「おお、この人も知ってる!」
 とにかくスゲー豪華なメンツだったんですよ。
 でもみんな、クイズ王って知ってる? 知らないでしょ? っていうか学生チャンピオンさんや関西のチャンピオンさんについては、半可通のワタシは全く存じませんでした。ということで、1回戦を長めにとって選手紹介をたっぷりやったというのは正解だったと思います。
 っていうかこの選手紹介の部分、事前告知番組の段階ですでに大興奮してしまっていたワタクシなのです。
 昔懐かしいあこがれのクイズ王が、今、どこで、何をしているのか?
 一生の趣味として楽しくつきあっている人もいたし、あるいはクイズが仕事になった人もいたし、クイズを追いかけて人生のバランスが崩れちゃったような人もいたし。
 クイズに人生を捧げ尽くした人たちの姿は様々でしたが、そんな人たちにこうして最高の戦いの場が提供された、ということが嬉しかったです。


 1回戦の問題の難易度が高めだと感じたので、「決勝戦はどんな難易度になっちゃうんだろうか? 見ていてワケがわかんないんじゃないか?」と不安に思ったのですが、そんなことはなかったです。
 準決勝と決勝は共に早押しクイズなんだけど、それぞれ勝負どころの違うクイズでした。
 準決勝は、通せんぼクイズ。
 あと一問で勝ち抜けという「リーチ」のときにお手つきすると0点に。あるいは、他人に正解されると0点に。勝ち抜け阻止の要素が入っていました。
 とにかく人より先に答えるために、回答者は問題の先の先を読んで早押し。そのシロートにはわからない駆け引きは、ほんの数文字読んだだけで札を奪い合う百人一首のようでもありました。
 なんか大昔のウルトラクイズの準決勝を思い出してしまいましたよ。たとえばホラ、これ。ちなみに今回の出場者の永田さんと、解説者の長門さんも出ています。
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 決勝戦は、10問先取なんだけど、1問でも間違えると得点は0点に。
 一瞬でも速く答えたいんだけど、誤答で0点になるのも怖い。ということで回答者は答えが分かってもすぐには押さずに、確信が持てるまでボタンを押さないという駆け引きがありました。
 この駆け引き、一瞬のタメがあるおかげで、視聴者のワタクシ的には「あっ!この問題はチャンピオンより先にわかった!」みたいな気持ちになれて、ちょっとうれしいんですよね。
 もちろん、問題文がテロップで全部流れるのを読んで答える視聴者と、問題文の途中で早押しして回答する立場では、答えやすさがちがいます。でもこの「オレが先にわかった!」という錯覚が、番組と視聴者の間にインタラクティビティを産むのです…とかいって。


 ところで、11月っていうと「クイズの秋!」って気分が抜けないワタクシです。昔は秋になると1ヶ月かけてウルトラクイズが放送されていて、ちょうど今ごろが決勝戦だったんですよね。なつかしいなー。
 ということで、正月特番とか改変期特番とかじゃなくて、「クイズの秋!」っていうことで、また来年もこの時期にこの番組が放送されるといいなーと思うワタクシなのでした。


 ついでなので、クイズがアツかった時代を知ってもらうために、動画をちょっと貼っときますね。
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