ーOOO-ぼくのかんがえたロボジー
映画や小説にぐいぐい引き込まれているときは、「えええっ?この先どうなっちゃうの?」と気になるものだから、ついつい先の展開をうっすらと想像しながら見てしまうものだ。
で、これが「あっ!そうきたか」とか「まさかそうなるとは…」とか、想像を裏切られると気持ちがよいものだ。
ところが、ストーリーの先がうすうす読めていたとしても、それが自分のツボに入る期待通りの展開だったりすると、「よーしよしよし!」とか「来たッ!」って感じで、コレはコレで大変面白いものだ。
ところで本題は、きょう公開になったばかりの「ロボジー」という映画なんだけど、コレ、すっごい楽しみだったんですよー!
STORY とある家電メーカーが、ショーで目立つためにヒト型ロボットの制作に着手。しかしショーまでに完成させるのはとても無理。そこで彼らは着ぐるみのロボットをでっち上げ、ロボットっぽい動きをするおじいちゃんに中に入ってもらうことにしたのだが…。
ワタシがどれぐらいこの映画が楽しみにしてたか、って?
なにしろ先日、CEATECというハイテクPCや最新家電の展示会に行ってきたにもかかわらず、最新PCや超弩級の液晶テレビのレポートそっちのけで、とにかく「ロボジー」の話をブログに書く始末(→コレね)。
で、期待感が高まりすぎちゃったせいで、この先ストーリーがどういう風に進むのか、ちょっと想像しちゃったのですよ。
だから、ここから先はワタシの妄想ね。
いま映画を作るからには、やっぱり東日本大震災があった後なので、そういう空気が物語に含まれているに違いない!
ということでワタシが妄想したストーリーは、こんな感じ。
そのころ未曾有の大震災が起こり、原子力発電所がメルトダウンの危機に陥る。
そこで「ロボジーは優れた人間型のロボットだから、メルトダウンしそうな原子力発電所を救うために、ぜひ出動して欲しい」という政府からの要請が。
あわてふためく開発者一同。
と、そこでロボジーの中のおじいちゃんが
「ワタシはもう老い先が短いし、若い人たちを放射能の危険にさらすわけにも行かない。この命に代えても世界のピンチを救う」
といって、燃えさかる原子力発電所の中に突入していくのだった。
ああっ!
コレは泣く!
オレが想像しただけあって、オレのツボに刺さりまくる!
クゥッ! 泣かすッ! 号泣する準備は出来ていたッ!
しかし、原発事故問題を映画の中に取り込むわけにはいかないだろう。
…というか、さっきのストーリー、オチはどうなっちゃうわけ?
ということで、物語をもうちょっとマイルドに妄想してみたのがコチラになります。
そのとき大事件が起こる。化学コンビナートが爆発炎上の危機に陥ったのだ。周囲には危険な有毒ガスが立ちこめ、人間が近付くことが出来ない。
そこで「ロボジーは優れた人間型のロボットだから、消火活動を行うために、ぜひ出動して欲しい」という政府からの要請が。
あわてふためく開発者一同。
と、そこでロボジーの中のおじいちゃんが
「ワタシはもう老い先が短いし、若い人たちを危険にさらすわけにも行かない。この命に代えてピンチを救う」
といって、燃えさかる化学コンビナートに突入することを決意。
その決意に打たれた開発者一同は、緊急に火災の炎にも有毒ガスに負けない装備の「重装備版ロボジー」と呼ばれる特殊スーツを開発し、おじいちゃんを送り出す。
無事に消火活動に成功した重装備版ロボジー。
このとき結局、「ロボジーの中身は人間だった」ということがバレてしまう。
消火活動に当たったおじいちゃんはヒーローとなり、感謝状が贈られる。
そして家電メーカーは、どんな危険な火災現場でも安全な特殊スーツ「重装備版ロボジー」のメーカーとして、世にその名をとどろかしたのだった。
ああっ!
スゴい、オチまでキレイにハマった!
なおかつ、オレ好みのストーリーやわー。
なぜならオレが妄想したから。そしてきっと君は泣く…ッ!
もうココまでくると、このストーリーが正解なような気がしてならない。これ以外あり得ない! 映画を見に行くまでもなく、すっかり堪能して満足してしまったワタクシだったのでした。
ほんでもって、予告編を見ていると、どうも吉高由里子がヒロイン役らしい。
えー? どうなっちゃうの?
女子大生とロボットの恋物語?
哲学だと心身問題になるのかな。完全に人間のような振る舞いをするロボットがあったとして、そのロボットには心があるといえるだろうか? みたいな? まあでもこの場合、中身はおじいちゃんだしね。
っていうか、女子大生とおじいちゃんの恋物語?
自分が好きになったヒトが、まったくちがう姿形になったとして、愛し続けることが出来ますか? みたいな? いや、まあ、葛藤しないか?
このへんの恋愛模様がグジャグジャするのも面白そう。
ということで、期待して待ちまくっていた本日公開のロボジーを、さっそくワタシは見てきたのですよ!
で。
オイラが想像したストーリーと、ぜんぜん違ってたな!
どひゃーん!
っていうか、あたりまえだっつーの。
だけどですね、見ている最中、自分が想像したストーリーと違う方向に裏切られ続けるわけですよ。「ああっ!」「そうきたかーッ!」って。
で、この想像を裏切られる感じって、映画を見るヨロコビだなーと思うんですね。
映画を見に行く前から、はち切れんばかりの妄想が膨らみまくって、すでに楽しかったし。
見ている最中は想像が覆され続けて面白かったし。
こんな形でドップリと映画を見たのは初めてだったので、とっても楽しかったです。
んまあ、もっとも、この映画を見ても絶体泣かない、でしょうねぇ…。
とりあえずみなさんにはオススメしませんです。ハイ。