ーOOO-そんな読書の春だった

 実は昨日の朝は健康診断だったのでした。
 ちょっとでも時間があればスマホをいじりまくりのワタクシなのですが、さすがに病院の待ち時間にソレはイカン。
 ということで、本を持ってった。
 で、そのとき持ってったのが、こないだブログでちょっと書いた「立ち読みしてたら最初から10ページ目でウルッと来てしまったので、あわてて買って帰った」というブツなのですよ。
 ウルウルしても平気なように自宅で読み始めたら、これがフツーに面白い本で、グイグイ読めちゃう。あまりに面白かったから、この先を読んでも出先で不意に涙腺に着火する危険性は低かろう…ということで安心して持ってきたのだった。


 朝飯を抜いて、病院へ。
 どっぷりと集中して読んでいたから、病院の長い待ち時間も退屈しなかった。というかむしろ読書に集中しすぎて、看護師さんに名前を呼ばれても気がつかないくらいだった。
 血液を抜いて、病院を後に。


 ちょっとフラフラしながら駅へ向かい、電車に乗って一路、ヨコハマへ。
 空は晴れ、ポカポカとした一日で。
 平日の昼11時くらいの電車はガラガラで。
 手元には読みかけのサイコーにお気に入りの小説が。
 不意にキラキラした光に窓の外を眺めると、川面が静かに波打っている。
 おお。旅行気分だ。
 景色を見ずに読書してるのがもったいないような気分だが、ここで読むのを止めるのがもったいないくらいお気に入りの小説だ。
 うーん、こんな贅沢な二択、ちょっと無いねぇ。
 もはやコレは「幸せ」と呼ぶしかない。
 電車はいよいよヨコハマに近付いていく。
 そしてお気に入りの小説も、終盤が近づいてくる。
 ああっ!
 ヤバい!
 不意打ち的な、涙腺アタック!
 電車の中でウルッと来て、こらえる。
 そう、物語は静かに、いよいよクライマックスを迎えていたのだ!
 いやー、こういう展開は… 泣いてしまうなー。
 こらえて。
 読み進めて。
 また「グッ」と来て。
 目的地のパシフィコ横浜に着いたとき、のこり80ページほどだったから、いっそ読み尽くしてしまおうかと思ったんだけど。
 ページを閉じて、カメラのイベントに向かったのだった。


 イベントを見たあとで、会場のパシフィコ横浜の近くにあるスタバに寄った。
 コーヒーでも飲みながら、腰を落ち着けて残りの部分を読もうという腹づもりだった。
 いつもだったら、お気に入りの本の最後の部分を、残りページを惜しむようにスタバでゆっくりゆっくり読んでいくのは楽しいモノだったのだが。
 今回は、この本がとにかく好きすぎたので。
 ちょっと読むと、グッと来るポイントが来るのだった。
 いかん、いかん。
 周囲は、いかにもヨコハマっぽいオシャレな女の人たちが、ずらりずらりと席を埋め尽くしている。
 そんなスタバのただ中で、腐れオッサンが本を片手に
「ズビッ」
とか鼻を鳴らしちゃってたら、どうだ!?
 でも仕方がないのだ。
 なにしろ物語は、ゆるやかにクライマックスを迎えているんだから。
 立ち読みしたときからヤバかったくらい、好きな小説だったんだから。
 物語が終わっちゃうのが惜しくてたまらないんだけど、もう読み止められないのだ。


 読み終わったときに、表紙をちょっとなでたりしつつ「ほーっ」とため息をついたですよ。
 これくらいどっぷり本に浸かったことはなかったですな。
 やっぱ、読書、楽しいなぁ。しみじみそう思ったですよ。