ーOOO-エアカウンターで空間放射線量をはかってみた
首都圏のいわゆるホットスポットと呼ばれる区域の中で生活しているワタクシなのです。
とはいえ特に除染をするでもなく、ふだん通りに、水道水をがぶ飲みするような生活を送っているわけなのです。
なにしろ「直ちに影響ない」のだから。
でも、友達を遊びに呼ぶかって言ったら、それは呼ばない。
っつーか呼べない。
ワタシは何も好きこのんでこんな生活を送っているわけではない。もちろん心配だし不安も抱えている。
いつ、何がどうなったら、「影響」が現れるのだろうか?
というときに近所のドンキホーテで、噂の空間放射線量測定器「エアカウンターS」というのを見つけたのだった。
震災直後、ガイガーカウンターは5万円以上して、個人ではなかなか手が出なかったものですが。
しかし、「あの」エステーの…あの「消臭力」のエステーが、個人でも買いやすい値段の空間放射線量測定器を開発、発売したのだった。
コレ、ドンキ価格で7800円だったので「お安い!」と思ったのですが、いま調べてみたらAmazonでは5299円だったです。
コレ、ひところは在庫切れだったんだけど、いまはドンキの店頭で買える程度に商品が流通してるみたいですね。
パッケージをあけると、本体と取扱説明書の他に、「放射線の基礎知識」が学べる小冊子が付いてきます。
本体の大きさは、お弁当の箸箱というか歯ブラシケースというか、それくらいのサイズ。単三電池1本で動きます。
使い方もすごく簡単。
とにかく電源を入れて、地上1mくらいの高さのところで水平に本体を持っていれば、計測終了です。
正しく計るためには約2分間計測する必要があるのですが、電源オンから35秒すると簡易計測の結果が表示されます。
さて、ではなぜ「即計測」ではなくて、「2分」必要なのでしょうか?
この装置では、放射線がセンサーを通過した数をカウントしています。2分間に何回放射線が通過したかで放射線量を表示しているわけです。
放射線が通過すると、いっしゅん液晶画面の右下にちいさな点が表示されます。と同時に、音をオンにしていれば「ピッ」というかすかな音が聞こえます。音がすごく小さいんですけど、逆に言うとむやみに不安をあおられることはないので、安心です。
20秒たっても30秒たっても音がしないときもあれば、突然ピピピッと3連発くらい音がするときもあります。なにしろランダムな現象なのです。
これを見ていると、瞬間的に数値が上がっただの下がっただので大騒ぎする必要はない、ということがわかります。
使用上の注意点として、周囲に電波やノイズの発生源があると、カウントが狂うみたいです。
説明書では、電子レンジや携帯電話の影響が上げられていました。
ワタシの場合だと、レンジや電話は平気だったんですが、ボロいコタツの上にのせておくと数字が上昇しやすかったです。
ところで、本体に放射性物質を含んだ土やほこりが付くと、正しい計測結果が得られなくなるわけで。
それをさけるために、ワタシは本体をジップロックしてあります。これなら、袋が汚れたときに取り替えれば問題なしです。
で、実際に空間放射線量を計測してみたのですが。
計測するたびに数字がズレるので、以下はだいたいの平均です。
自宅 | 会社 | |
屋外 | 0.15μSv/h | 0.15μSv/h |
屋内 | 0.10μSv/h | 0.08μSv/h |
自宅は木造で会社は鉄筋作り、という部分で放射線量に違いが出たかな、という感じ。
…で、問題は。
この数字を、どのように考えればいいんでしょうね?
コチラのサイトによれば、現在の東京都の空間放射線量は0.069μSv/h。我が家はコレよりは高いです。
でも、世界の空間放射線量の平均は0.27μSv/h。我が家はコレよりは低いです。
もともと関東地方は関東ローム層に広く覆われているために、放射線量が低い地域らしいんですな。で、世界の多くの地域の方がウチより空間放射線量が高いみたいです。
うむむ…?
5.4以上 | 強制避難 |
2.0〜5.4 | 強制移住 |
0.67〜2.0 | 希望すれば移住可 |
0.134〜0.67 | 放射能管理が必要 |
ということで、我が家は放射能管理が必要な地域です。
しかし、世界の空間放射線量の平均は0.27μSv/hなので、この基準に照らし合わせれば世界の多くの場所は放射能管理が必要な地域ということになるのです。
この基準、どうあてはめて考えれば良いんだろうか…。
うむむむむ…?
まあ、空間放射線量はひと頃より低くなっているわけだから、そんなに心配しないでいい、ということにしましょうか。
で、いま放射能が問題になっているのは、食べ物です。
食べ物による内部被爆は恐ろしいわけです。
しかしこのエアカウンターは、あくまでも空間放射線量測定器です。食品の放射線量を測定することはできません。
エアカウンターを買って空間放射線量をはかることで、ひとときの安心を買うことはできたけれど。
でも、その数字を、その能力を、どう生かせばいいのかわからないオレは、安全を手に入れることはできなかったのだった。
とはいえ、放射線量が高すぎない事がわかってホッとしたのは事実。そして、世の中にはいまだにモヤモヤしたキモチに包まれて暮らしている人がたくさんいるし、実際にもっと高い放射線量の地域に暮らしている人が多いのだなぁ。
いやあ、大変なことですよね。本当に…。