ーOOO-オレとパイプ枕

 以前ワタシはパイプ枕を自作したことがあった(→参考)。
 手作りのパイプ枕は最近ブッ壊れ気味で、パイプがときどきポロポロこぼれ出すことも。だけどそれでも、自分に合わせて自作しただけのことはあって、寝心地はたいそうよろしい。
 例によって寝覚めの悪いワタクシなのだが、起き抜けは眠くて眠くてたまらんので、「うーん」とゴロゴロする。だらしなく、かつ幸せな時間。
 ゴローンと右から左へ、左から右へ。


 そのとき、異変は起こった。
 耳に、異物が…!
 イヤな感じがしたので即おきあがり、頭を傾ける。
 と、そこにはパイプがひとかけら、ポロンと。
 まさかと思ってマクラを見れば、パイプが散乱している。どうやら本格的にマクラがブッ壊れたらしい。そして耳の中の異物感は残ったままだ。
 頭を傾ける。ダメだ。
 頭を傾けたまま、激しくシェイクする。そのままジャンプ。…出てこない。
 そーっと、指で触る。ちょっと触った感じがしたが、そのまま奥に押し込まれてしまった感じもする。
 感触から言って、パイプは横倒しになった状態で耳の中に取り込まれたようだ。
 耳かきを使うわけにはいかなそうだ。
 どうやって取り出せばいいんだろう。


 自分の耳の中を、自分でのぞき込むことは不可能だ。そのことが不安をつのらせる。
 下手にいじくって、パイプが奥の奥に入ってしまったら?
 コレは医者に行くしかないのか?
 いや、そんな理由で会社に遅刻するのはカッコ悪すぎる。
 それとも、会社に行って、誰かに耳の中からパイプをとりだしてもらおうか?
 いやいやいや! そのほうが恥ずかしいだろって!
 やっぱ、医者に行くしかないのか…?


 必死で考えた末に、セロテープの粘着面を生かした棒を作って、ペタッと貼り付けて、取った。
 こうして解決法を書いてしまえば読者の皆さんは「なーんだ、そんな簡単なことか…」と思うかもしれないけど、こちとらコレを思いつくまで、もう必死だったんスから! いや、マジでマジで。