ーOOO-カモがいるカモ

 カメラ片手に公園ぶらぶら。
 カラスを狙ってシャッターを切ったのです、が。
 真ん中でぶれてるヤツが、ソレです。
 うむう…、あいつらスピードが速いぜ…。


 その点、ゆるゆると水面を行くカモは、スピードがゆっくり目。
 なので、へぼカメラマンが腕を磨くにはちょうど良いカモ。
 したら、あーた、カモが!

 
 親子でスーイスーイといるじゃありませんか!
 いままさに子育てのシーズンまっさかりらしくて、何羽もの親子の群れを発見したですよ。

 うっひゃー!かわいい!
 ちっちゃい子はふわふわして、よちよちしていて、うひゃー!


 カメラを持った人が立ち止まっていたら、そのカメラがのぞく先を見てみると、カモたちがいるわけなのですよ。
 つられてオイラもパシャパシャ。

 そうすると、散歩してた人たちも何事かと足を止めて、
「あら、かわいい!」
「ほんと!ねえ、見て!」
「うわー、かわいいねぇ♪」

 子ガモはまだまだ水が怖いみたい。
 それを見守るお母さんガモ。
 あ、お父さんガモはこういうとき、群れから離れたところで一羽、みんなを見守ってるみたいですよ。通りすがりの公園管理のおじさんが言ってました。

 水面をじっと見つめる。
 おっかなびっくり水に飛び込む!

 そして必死に、もがいて泳ぐ!
 じたばた、じたばた。
 その必死さが、またなんとも、かわいい。

 そうこうしているうちに、家族はみんなで、すーいすいと泳いでいく。

  はぐれた一匹が、「待ってよー!」と、全力で追いかける。
 池のフチから見ているワタシたちは、みんなで「ホラ頑張れ、頑張れ」と応援する。
 追いつくと、安堵の声が漏れる。

 一人でカモを観察してるんだけど、そこにたまたま集まったみんなで観察しているから、退屈しない。
 みんな思い思いのことを言う。
 会話はつながっていない。
 けれど、みんなカモの話ばかりしているから、話の意味はお互い通じ合う。
 そういう感じも不思議で、面白かったです。
 
「すぐ茂みの影に隠れるから、なかなかカモの写真が上手に撮れないなー」
と誰かが言ったら、公園の管理の人はこんなことを言いました。
「そうですね、カモに限らず、茂みの中に隠れたがりますね。それは、天敵のカラスやヘビに襲われないようにするために、わざとそういう場所を選ぶんですね」
「じゃあ、もっと茂みが増えたら、野鳥が増えるのかしら?」
「そこがむずかしいところで、公園の管理者としては、ある程度の雑草は取らなきゃならないし、樹は剪定しなければならないんですよね。
 たとえば、あんまり公園の歩道が暗いと、夜、危ないじゃないですか?
 そういうこともあって基本的には、都の方では、ばっさり刈りたがるんですよね。バランスが難しいところです」


 子ガモはかわいいし、いっぱい写真を撮って退屈しなかったです。
 うーん、これはもっといいカメラが欲しくなるね…。ま、そんな予算はないのですが。
 とはいえ、手ブレしたような写真は、それはそれでかわいいなーなどと思っているワタクシなのでした。