ーOOO-海猿4を見てきた件について

  
 コレ系の映画をホメると「ああ、アイツ映画のことなんか何にもわかっちゃいないんだよ…」とか後ろ指をさされちゃいそうですが、いやーまぁ、良かったザンスよ。コレ系の映画、好きなんです。ええ。
 ほら、あるでしょ? なんとか・ザ・ムービーみたいなの。コレは「映画」じゃなくて、「ザ・ムービー」というジャンルだと思えばいいんです。


「ジャンボの緊急着水時に、空が暗くなると乗客の救助が困難になるから、なんとしてでも夕方までに着水させるんだ!」
とかいうセリフがあったので、ワタシは「ああ、じゃあ緊急着水時は夕方だから、夕焼け空をバックに救助活動が進むんだなぁ…」とか思ったんですが、そんなこと忘れたかのように明るい空の下、緊急着水は行われ、救助活動中も昼間のように明るかったのでした。
 でもこの映画に関しては、そういう些細な部分を突っ込むのはヤボ。
 思えば前作の海猿3は「THE LAST MESSAGE 海猿」ってタイトルで、「シリーズ完結作!」のハズだったのに、人気があったからってコトで今回ちゃっかり4が作られちゃったってくらいテキトーですから。ちょっとした矛盾くらい気にしない気にしない。


 んで。
 たとえば主人公が天才超人的なヒーローで、周囲の人間は一人残らず愚民で、とにかく主人公だけが猛烈に頑張って何とかする…みたいなストーリーって、ちょっと見飽きたというか、主人公に感情移入できねえワタクシなのですが。
 しかし今回の海猿4は、とにかくみんなで頑張って、みんなの力をあわせて何とかしようとするシーンが多くて、グッと来ました。
 全体的にはテレビの「九死に一生スペシャル!」みたいな番組の中の再現ドラマみたいな感じで、しかもそれが緊張感を保ったまま、CMにも入らず、2時間チョイぶっ通しですから。ワタクシ好みの展開で、なかなか良かったです。
 海猿たちが主人公だから、どうしても海上保安庁側の視点からの話が中心になるのですが。でも個人的には、パニックになった機内の様子とか、コントロールを失った飛行機を必死に立て直す機長さんの活躍とかを、もうちょっと描いてくれたら映画にさらに厚みが出たのでは? とか思ったんですが。でも、ソレを足しちゃうと話が長くなるしね…。


 緊急事態が続く緊迫した空気の中、作戦司令室には無線と電話と怒号が飛び交います。
 そんな中、主人公の無線だけはなぜか直接繋いでもらえちゃって、作戦室にいる全員が主人公の話をだまってジッと聞くことに。
 アホじゃねぇか…と思いがちですが、コレこそが海猿ワールドのお約束。
 思えば「海猿2」では、いまにも死にそうな状況下、電話で恋人へのプロポーズを作戦司令室の全員に聞かせるという離れ業をやってのけた主人公。そんな主人公からの無線通信ですから、そりゃあまあ「次はどんな爆笑メッセージをやってのけるのか?」と、みんなで聞きたくなりますわな(←えー?)。


 そうそう、海猿のお約束というと、ラストのエンドロールで流れるメイキング…というか、シーン番号を示すためのカチンコでキャストのみんなが遊ぶシーンが面白いわけなのですが。
 「あー、あったあったこんなシーン…」と思いながら映画の余韻にジンワリしつつ、現場でスタッフとキャストが一丸となって仲良くやってる感じが伝わってくるのです。ええのう。
 個人的には、2作目3作目より、今回の4作目のほうが面白かったです。
 今夏は面白そうな映画が目白押しなので、興行収入的には前作ほどいかないかもしれませんが、しかしこれはひょっとして、続編あるのでは? じわーっと期待しますです。