ーOOO-ボクのカワイイいもうと … ドラクエ日記
ドラクエ日記と書きつつ、ここで書きたいのはプレイ初日の出来事なのだ。
すったもんだありつつも、ワクワクしながら電源立ち上げ。
オープニングのムービーを見て、スタート、と。
んで、まずは「主人公を設定してください」
主人公のキャラクター設定。顔のパーツを決めていく。
このへんはチャッチャとすすめる。
でも「ゲームの中とはいえ、自分があまりにもカッコ良すぎるのは、いかがなものか?」という意識がはたらく。
かといって、あまりにもカッコ悪いのもイヤなので、ホドホドのところで決めることに。
そして、「名前の設定」。
これは、いつもよりちょっと悩んだ。
というのは、オンラインゲームだから。
もしも普通のRPGだったら、初期設定の主人公の名前をそのまま使うか、あるいは自分の名前をサクッと入れちゃうところだ。
ネットで本名まる出しで歩くのもイヤだし、かといって凝った名前を付けて「変な名前だなー…」とか思われるのもイヤだ。あと、いつか知り合いと遊びたくなることもあるだろうし、自分とかけ離れた名前も付けたくなかった。
ま、とにかく、決めた。
決定、と。
次の瞬間、オイラは驚愕する。
「あなたの兄弟を設定してください」
はぁぁぁぁあ?
もちろん、これまでにも「仲間を設定してください」というゲームはあったし、それからプレイを進めていたら「自分の兄弟という設定のキャラクター」が出てくるゲームというのはあったけれど。
でも、「スタート前に自分で兄弟を設定できるゲーム」というのは、ちょっと斬新ではないだろうか。
しかも、
- おにいちゃん
- おねえちゃん
- おとうと
- いもうと
の。4つの中から選べるという。
うーん?
選んでいいって言われちゃうと、困っちゃうなぁ…。
まさか、こんなことで悩まされるとは思わなかった。
小学生の頃だったら、「自分に兄弟がいたらなぁ」みたいな想像をすることもあったかもしれないけれど、もうオイラはオッサンですから。いまさら「自分に新しい兄弟が出来たら」だなんて、そんな想像しないってば。
えー? どうしよう?
ここでフッと、実兄の顔がアタマをよぎる。
ゲームの中でアニキに「よーし、タクミ、ついてこい!」とか言われちゃう … ぶるぶるぶる、そんなのイヤだッ!
コレはゲームなんだし、本当の人生とはちがう、なにかちょっとした冒険心みたいなモノがあっても良いんじゃないか?
そう思うと、「オトコ兄弟」でもなく「年上の存在」でもない、「いもうと」という存在を自分のゲームの相棒にするのは、面白い選択ではないかと思えた。
そしたら、「このキャラクターは自分のいもうとだ」という意識がうまれ、その設定には大きな迷いが生じました。
俺のいもうとか…。じゃあ髪型はあんまり派手じゃないほうがいいかな。かといって地味なのもかわいそうかなぁ。…これか、このへんかッ!?
髪の色は、紫とか緑とかじゃなくて。かといって、黒というのも地味すぎるだろう。ウチの妹はイマどきの女の子なんだから、暗い感じの茶髪ぐらいまではアリだろうか?
ってか、なーんか、悩むなぁ…。
フツーのゲームで「相棒のキャラクター」を設定するよりは、「自分のいもうと」を設定するほうが、どうしたって思い入れが深くなる。
悩んで、悩んで。
決定、と。
この次の瞬間、オイラはさらに驚愕することになる。
「いもうとの名前を決めてください」
はぁぁぁぁあ?
もう、アタマ、真っ白。
フツーのゲームなら、ここで初期設定の名前が入っているはずなので、そのまま「決定」を押してしまえば、悩むことなくゲーム世界に飛び込んでいけるはずだ。
しかし今回のドラクエは、名前欄が「空白」だったのだ。
オイラが自分で決めなければならない。
そしてここで「オイラは女性の名前のボキャブラリーにとぼしい」という問題に直面するのであった。
もしこの状況下で、たとえば自分が結婚してたり恋人がいたりしたら、その人の名前を付けちゃえば良いわけで。というか、うっかりした名前を付けちゃうとケンカになっちゃうわけだから、付けざるを得ないと思うんですよ。
でも残念ながらオイラは結婚してないし、恋人がいるわけでも無いので。
とすると、アイドルとかアニメのキャラクターの名前を付けるかな?
でも、コレ、オンラインゲームだから。見知らぬ他人に「あの女優さんのファンなのか−」とか、「へー、この人はこういうアニメが好きなんだ…」って思われたくない。っていうか「そう思われちゃってもいい!」というほどドハマリしているモノが無いんですよね…。
オンラインゲームで使っても変じゃない感じの、当たりさわりのないフツーの女性名。
…ほら、あなたなら何か思い浮かびます?
オレは、なーんにも思い浮かばなくってね−。
つくづく、「オレって女性の名前のボキャブラリーにとぼしいんだなー」と思ったですよ。
アタマが真っ白になって、脳みそが沸騰しそうになる。
悩んで悩んで悩んで。
あ、人名じゃなくてキャラクター名でも良いんじゃないの? と考えて。
最終的に
「あ、パンダの名前なんかどうだろう? ランランとかカンカンとか?」
…何がどうしてそうなるんだ? と聞かれると困るんですが、あのときのオレはそのくらい切羽詰まっていたのだった。
んで、ランランとカンカンなら、なんとなくランランのほうが人名っぽいかな? と思って、ぼくのカワイイいもうとの名前は「ランラン」に決定しました。
んでようやく冒険に出たのです。
と、ここで「あ、そういえば鈴木蘭々ってアイドルがいたっけ? じゃあ人名としてランランはそんなに変じゃないかなぁ」と気がつき、自分がつけた妹の名前に自信をもちました。
でもこれ、命名決定の直前に気がついていたら「既存の人名とカブるからイヤ!」ということで別な名前を考えはじめちゃって、さらに冒険の出発が遅れてましたね…。
さてさて、ようやく冒険の旅に出たワタシたち兄妹。
このランランは、左右の手を交互に横に振る「女の子走り」をします。
ほんでもってドジッ子で、なにかっつーとアニキに頼ってくる。
ホラ、これ、なんつーの、「実際には妹がいないオトコが考えた、理想の妹キャラ」みたいな感じで、油断ならない殺傷能力を持った、それはもう大変に大変なキャラクターなのです。
うはあ。かわいい。
しかし、楽しい冒険の旅は、ホンのつかの間。
村は激しい戦いの渦に巻き込まれ、邪悪なる存在による邪悪な攻撃によってはじき飛ばされたランランは、
「おーにーいちゃーん! たすけてー!」
と絶叫しながら、ここではないどこか遠くの異次元世界へと飲み込まれていってしまったのでした。
ここでオレは怒りに燃えます。
ちくしょう、オレのカワイイいもうとになんてコトしやがる…!
オレがこの手で世界に平和をもたらし、ランランを取り返してやるんだ!
と同時に、こうも思いました。
もしもアレがオレのアニキだったら?
「うわー、タクミ、助けてくれー!」
とか叫びながら、闇の世界に飲み込まれていったら?
…そんなストーリーじゃ、ちーっとも燃えねぇよなぁ?
やっぱあの場は、妹を作って正解!
ビバ! いもうと!