ーOOO-たしかなひかり
先週末は富士山に登ってきました。
前々回は登頂を断念、前回は登頂に成功したけれど暴風雨で何も見えず。
ということで今回の目標は「天気がいい富士山に登りたいなぁ、ついでに山頂でご来光が見られればもっといいなぁ」
しかし実際には、富士山駅に到着して富士山の方向を見上げると、ご覧のありさま。
5合目までバスでのぼると、そこはすっかり霧の中。
天気は悪くなる一方で、登山中にとうとう雨が降ってきたのですが、ワレワレは予約してあった山小屋に到着。
翌日の午前中は晴れるらしいという天気予報を信じ、早めの食事を済ませると、横になって休んだのでした。
しかし、なかなか眠れません。
夜9時頃に外の様子を見てみれば、雨はやみ、霧も晴れていました。
山小屋の外に出て、ひんやりとした夜風に吹かれながら、景色をながめます。
星一つ見えない真っ暗な夜でしたが、よくみると地面には細かな光があふれています。それは、都会の高層ビルから見下ろしたまばゆいばかりの光の渦とは大きく違う、静かで、か細い光です。
満天の星空も好きだけど、地面の小さな灯りの一つ一つの下には、必ず誰かが暮らしているんだ。そう思うと、か細い光がとても愛しく思えました。
そして夜中の12時。ワレワレは山頂を目指し、出発しました。
雲一つ無い空には、満天の星空。
高度が上がるにつれ、空気は薄くなり、星はいよいよくっきりと見え始めます。
ご来光の予定時刻は5時でしたが、そのはるか前の3時頃には、東の空がボンヤリと明るくなっていました。
しかし、必死で山を登るワタシが見つめているのは、足もとの岩場ばかり。
結局、山頂までは遙かに遠い、高度3400mでご来光を見たワレワレだったのでした。
その光の移ろいの美しさもさることながら、ただ単純に、空が明るくなってくると気分も明るくなるものだと感じました。
また、陽の光がいかに暖かいものなのか、を思い出しました。