ーOOO-ご意見ご感想

 ウチは水道料金をコンビニで払ってます。
 うっかり払いそこねると、いつもと違う色の振込用紙が送られてきたりなんかしてハラハラするので、というか、ハラハラしたのですが、こうなっちゃうとコンビニでは振り込めない状態になって、直接水道局まで支払いに行かなければならないという塩梅なのです。
 んで水道局に行くついでに、口座振替の手続を済ませにいきました。


 水道局のビルは、たいへんにボロっこかった。
 昨今の税金の無駄遣いといった方面に配慮したのか、あるいはウチの街には予算が全くないのか、はたまたその両方なのか。建物は中も外も予算をカツカツに切り詰めた風情。
 ビルのあちこちにはヒビが入り、耐震補強のためにムキ出しの鉄骨がガツーンガツーンと無骨に張り巡らされているせいで、むしろ見た目に危なっかしい感じが増しちゃっているのはどういうわけか。


 そんな水道局の窓口で順番を待っていると、椅子のそばの小さなテーブルには「ご意見ノート」というのが置いてあって、表紙にはこんなことが書いてある。
「どうぞ奇譚のないご意見をお寄せください」
 ああっ!
 このノートには、公務員の皆さんに向けたドスぐろい悪意の塊のようなコメントがいっぱい書いてあるんじゃないか?
 そう思った瞬間、ノートが禍々しい殺気を放った忌まわしいものに感じられた。
 しかしそれと同時に、そういうドス黒い塊がどんなものなのか、怖いもの見たさで読んで見たくもあった。
 おそるおそる表紙をあけて、1ページ目を読んでみる…。
「ここの水道局は土曜日もやっているので、大変たすかっています。いつもありがとうございます」
 そこには、ねぎらいの言葉が!
 別にオイラは水道局の職員ではないのだが、なんだか嬉しい気持ちになりました、とさ。