ーOOO-わるいやつ

 録りだめておいた仮面ライダーウィザードを見るなどする。
 だからこれは3週ほど前の話になるのだが。


 この話では、主人公の仮面ライダーウィザードの過去が少し明かされていた。
 主人公が幼いころ、両親は交通事故を起こし、二人とも亡くなってしまったのだった。
 そのシーンを見て、ツラい気持ちになってしまった。それは主人公に感情移入したのではなくて、亡くなっていく両親に感情移入してのことだった。
 子供を残して死んで行っちゃうのって、ツラいなぁ。
 無念だよなぁ。
 そういう死に方っていやだけど、ああ。
 そういうことって世の中にいっぱいあるんだよね…。
 オレはもうオッサンだから、まだまだ若い主人公より、同世代…というか自分より年下かもしれない両親のほうに感情移入してしまったのであった。


 そして仮面ライダーはまだまだ続く。
 主人公の仮面ライダーは、悪の組織から少年を守るのだ。
 だが悪の組織は少年をおびき寄せるため(厳密にいうと、少年の心を絶望の淵に追いやることが悪の組織の目的なのだが)、少年の母親を傷つけ、血まみれにし、意識不明の重体にしてしまうのだ。
 病院のベッドに横たわり、意識不明の母親。一人しょんぼりと、その横の椅子に座る少年。
 あー、こういうシチュエーション、なんかツラい! 見てらんない!
 そんでもって話はまだまだ続く。
 悪の組織はさらに少年の心を絶望の淵に追いやるため、少年の父親が運転する車を襲う。
 車は横転し、父親は血まみれの重体。
 悪の組織の怪人は、瀕死の状態の父親を車の中から無理矢理引きずり出したのだった。
 あー、なんか、もう無理!
 見ててツラい!
 っていうか、今回の悪の組織、ほんとに極悪だろ…?


 うー、なんて言ったらいいんでしょうか。
 物語の敵役として、「主人公が憎むべき倒すべき悪」と、「ホントに悪い人」っていうのがある、と思うんですよ。
 で、今回の仮面ライダーのエピソードの敵役は、ワタシの中の閾値を超えてしまった、と。
 なんつーか、「悪さ」が生々しかったんですよね…。
 このへん、ルパン3世なんかだと明快ですよね。
 金庫破りはスカッとする悪さだけど、殺人っていうのはやっちゃいけないことで、ルパン一味は絶対にこれをやらないですよね?