ーOOO-Choo-Choo, Boom-Boom!
それは先日の猪苗代湖ハーフマラソンの帰り道のことでした。
猪苗代駅で電車を待ちながら、路線図をボーっと眺める。
東に行けば、まっすぐ今回の宿の郡山へ帰れる。
しかし、西に目を向ければ、そこには会津若松が。
そして、その向こうには「喜多方」という地名が。
喜多方って…喜多方ラーメンの喜多方かぁ。
福島って、ラーメンどころなんだなぁ。
ぐぎゅるるる。マラソンを走ったばかりで、やたらとお腹がすいている。
急ぐ旅じゃなし、あてのない旅路なんだから、遠回りして喜多方に行ってみようかな。
電車はガタゴト、会津若松駅へ。
そこでは、福島名物の赤べこのゆるキャラ着ぐるみがお出迎え。
ゆるキャラっていうか、赤べこは昔っからこんな感じだものなぁ。ブームじゃなくて、生まれついての、根っからのゆるキャラなのですな。
郡山から喜多方へ。その乗換駅として降りた会津若松駅だったのですが、次の喜多方行きの電車がなかなか来ない。
電光掲示板を見れば、そこには…
「SLばんえつ物語」って、特別列車で、SLですかぁ? えっ、今から乗れるのソレ?
そして、その次の電車は1時間20分後。ちょっと、ソレは待てないな…。
んで、駅員さんに聞いてみる。
あのう、SLばんえつ物語って、まだチケットありますか…?
「はい、ございますよ」
先を急がぬ行き当たりばったりの旅、ここで思い切って、SLに乗っちゃいますよっ!
ホームに行ってみれば、まさにいまSLが入線するところ。
SLは、バックで入線してきました。
すすけた客車が「SLでございます」って感じで、いいなぁ♪
勢いよく、黒い煙が上がっている!
SLに乗るぞって感じが盛り上がってきました!
ホームは人でごった返していました。
乗るお客さんも、そして乗らないお客さんも。
記念写真を撮る人も、とらない人も。
うひゃー、すごい人気だな、SL!
赤べこ君もやってきて、さあさみんなで記念写真をとりませんか、とポーズをとって。
とにかく、ホームにいる人がみんなニコニコしていたのが印象的でした。
そして、ちょっと古めかしさと重々しさが同居したような客車に乗りこんでみると。
うひゃっ、席を間違えちゃったかな…?と気おくれしてしまうくらい、豪華な座席。
あー、なんだか、旅行気分が盛り上がりますな!
このSLに乗ると、乗車記念品のパンフレットがもらえますよ。
ええっ、そんなおもてなし、もらっちゃっていいんですかぁ? 喜多方までしか乗らないんですよ?
そしてSLの中央部には、売店と食堂車がありました。
んでここは売店部分。
写真左手部分は車窓なのですが、ちょっとしたテーブルがついていました。
時間があればビールでも買って立ち飲みしたり、食堂車で何か食べたりして過ごしたかったです。
そして列車は走り出しました。
基本的には煙は白かったです。
加速するときとか、上り坂に差し掛かってパワーを出すとき時に、煙が黒くなっているみたいでした。
ワタシは機関車から離れた2両目に座っていたので、シュッポシュッポいう機関車の音は聞こえませんでした。
というか、かなり静かだったですね。
かたっ、ことっ。
たたん、たたん。
レールの継ぎ目の音ははっきり聞こえるんだけど、決していやじゃない。とにかく静かでなめらかな印象。
よくわかんないけど、普段の通勤電車はすべての車両にモーターがあって、床下から微妙なモーター音とか振動とかが漏れてくるんじゃないかと思うんですよ。
SLは、そうじゃなくて、先頭車両がすごい力で頑張って、客車はただスイーッと引っ張られるだけ。
そのスィーッとした感じが、なめらかさにつながってるんじゃないかなーと思いました。
SLの行く先々には誰かがいて、ずっとこちらを眺めていたり、手を振ったりしていました。
そうだよねぇ、SLだものねぇ。
手を振られると、なんだかこちらもうれしくなってきます。
この感じ、どこかであったなぁ…。
そういえばさっきのマラソン大会。沿道のみんながこちらに手を振ってくれたっけ。
いやいや、ソレじゃなくて…。
と、ふっと、思い出した。
あ、九州新幹線のCMだ!
会津若松から喜多方まで。
SLだと、ほんの一駅だったけれど、なかなか楽しい旅だった。
宿を郡山に取っていなければ、そのままSLに乗り続けて、SLの終点の新潟まで行っちゃってもよかったんじゃないか、そう思えたくらい、楽しく小さな旅だった。