ーOOO-「ありがとう」「がんばって」…ドラクエ10日記(220時間目)

 いまだにドラクエ10で遊んでいるワタクシなのですよ。
 発売日に買ったので、100日くらい遊んでいるかな…。
 でもいまだにボスが倒せなくて、転職を繰り返しながら、内職で日銭を稼ぎ、チマチマとモンスターを狩る日々なのですよ…あああ、こう書いちゃうと、なんだかサエないなぁ。
 ドラクエのゲーム世界の中では、どこか異次元世界に飛ばされてしまったボクの可愛い妹が、オイラが来るのを待っているハズ、…なのです。わかっちゃいるんだ、妹よ。いつかお前が喜ぶような、えらいアニキになりたくて、奮闘努力のかいもなく、今日も涙のおぉぉぉぉお♪
 でもなんか、先日発表になったドラクエの開発・運営だより3号のデータによれば、プレイしている人の75%はまだ、エンディングに達していないのだとか。そうだよねぇ。レベル上げるの、社会人だと時間が大変だよねぇ。
 ということで、まだまだクリアは先だと思われるのですが、胸を張って遊んでいきたいッ!
 そう、クリアしてないのは普通!
 オレがへたくそなわけじゃないッ!
 …たぶん。


 ドラクエ10はオンラインゲームなので、月1000円かかるのですが、これは高いようでいて、安いんじゃないかなー?
 というのは、新しいゲームが出ても「まだドラクエで遊んでるから」という理由で買わずに済むから、というのが一つ。
 もう一つは、会社帰りにちょっとヒマな時間があるときに、いままでなら「じゃ、ちょっとパチンコでも…」とか「ゲームセンターでも…」というのがあったのですが。今では「そのちょっとの時間に、ちょっとでもレベル上げを…」と思ってまっすぐ家に帰っているので、これまたお金を使わずにすんでいます。


 んで、オンラインゲームといえば、見知らぬ人とパーティーを組んで冒険する、というのが醍醐味の一つと言えるでしょう。
 しかしね。ワタクシ、人見知りが激しいのでして。
 現在、ひとりぼっちでゲームを続けているのです。
 でもソレが理由で解けないとかそういう事はなさそうなので、引っ込み思案の人も、ドラクエ10いかがでしょーか?


 矛盾するようですが、ひとりプレイとはいえ、オンラインゲームっぽさは満喫しています。
 たとえば、冒険中のザコ狩りとか、ね。
 一匹のザコ敵を倒そうとして、ワタシがおりゃーっと走りこんでいくと、向こうのほうからも誰かが走りこんでくる!
 タッチの差で間に合えば、オイラがザコ敵と戦闘できるのです。そういうちょっとした駆け引きがあります。
 逆に、間に合わなかった場合、相手のヒトが戦闘に入ってしまいます。で、その戦闘をオイラが応援する、ってーのがあります。
 コレ、応援するつもりはなくても、オイラが連射パッドでボタンを連打してる場合、勝手に相手を応援しちゃうのです。応援された相手は、攻撃力がちょっと上がって、もらえるお金がちょっと増える(だったかな)。そんでもって、応援された相手が「ありがとう!」なんて言ってくれたりして。
 なーんか、ギスギスしなくていいでしょう?
 そうすると、ワタシが別なモンスターを倒しているときに、逆にさっきの人がワタシを応援してくれたりして。こうなると、ワタシも戦闘中にちょっとお得です。
 ザコ狩り中に、見知らぬ者同士がお互いに応援しあうことで、戦闘をサクサクすすめられて、お金もちょびっとだけ貯まりやすいのでした。


 あるときのこと。
 ワタシがすみっこでザコをせこせこ倒していると、後ろのほうで誰かが戦っている気配。
 ふりかえれば、超強力な敵を、誰かがひとりで倒そうとしている。
 …というか、逃げそこなって、強力な敵になぶり殺しにされている?
 頭の上のゲージがみるみる黄色に、そしてオレンジに。
 あーっ! あの人、やられちゃったッ!
 あわてて駆け寄るワタクシ。
 というのも、その時ワタシの職業はレンジャーだったので、生き返らせる呪文とHPを回復させる呪文を持っていたからなのです。


 ブッ倒れて死んでいる、見知らぬ誰かに駆け寄って。
 ワタシは死者蘇生の呪文を唱える!
「ザオ!」
 …生き返らなかった!
 そう、ワタシのキャラはレベルが低かったので、最も効果のよわい死者蘇生の呪文しか持っていなかったのです。
「ザオ!」
 …生き返らなかった!
「ザオ!」
 …生き返らなかった!
 そして5回目くらいの「ザオ!」
 …なんと、見知らぬ人はよみがえったのでした!


 しかし、生き返ったばかりなので、残りHPは「1」!
 このままではフラフラ歩いているとすぐに殺されてしまうので、HP回復の呪文をかけてあげました。
ホイミ!」
 これも、最も効果のよわいHP回復呪文です。ちょっとしかHPが回復しません。
ホイミ!」
ホイミ!」
 ここらへんで、自分のMPが底を尽きてしまいそうになる。
 はあはあ。
 ぜえぜえ。


 と。
 ここで、見知らぬ人が。
「ありがとうございました」
と言って、ペコリとおじぎをしてくれたのです。
 うひゃー!
 そのひとことが、なんだかすごくうれしくって。
 こちらも何か、ひとこと言いたくって。
 あわててしゃべるためのメニューを開いて選んでいると、「がんばって!」というメッセージを見つたので、これを選択。
 と。
「がんばって!」と言いながら、ワタシのキャラクターは相手の人に、親指を立てて「グッ!」とやってみせたのでした。

めっちゃつよいモンスターの こうげき!
見知らぬ人は しんでしまった!
そこに ワタシが とおりかかった!


ワタシは ザオを となえた!
なんと 見知らぬ人は よみがえった!
ワタシは ホイミを となえた!
見知らぬのHPは かいふくした!


見知らぬ人:
  「ありがとう ございました」
  ペコリと おじぎを してくれた!


ワタシ:
  「がんばって!」
  ワタシは ”グッ!”と 親指を 立ててみせた!


 うわっ!
 なんか、オレ、めっちゃかっこええ!
 自分のあまりのかっこよさにシビれて、…というか恥ずかしくなってしまった。
 だからワタシはその瞬間、ダッシュでその場を離れて、見知らぬ人からものすごい勢いで遠ざかって、マップのはるか隅っこに隠れるようにして、
「オレ、いま、めっちゃカッコよかった!」
「オレ、いま、めっちゃカッコよかった!」
と心の中で繰り返しながら、ザコ敵をバカスカぶん殴っていったのでした。


 いやー、しかし、ね。
 ああいうのがオンラインゲームの醍醐味なのかなーと、ちょっと思った瞬間だったのでした。