ーOOO-オレ以外、通勤地獄

 めっきり寒い朝なので、ホームに立っているのが寒くて寒くて一苦労。ほんでもって、ローカル線なのでなかなか電車が来ない。
 ようやく電車がやってきた!
 というときに、尻に不意に襲い来た、便意とはいえぬ感覚。
 あえて名づけるならばコレは、「屁意」だッ!
 そこに来る電車。
 ドアが開き、乗り込む前に、ガスを噴射!
 そのままスムーズに乗車!
 その状態から、電車は発車したのだった。
 オトナのたしなみとして、一連の動作は流れるようにスムーズ。問題ない。
 はずだった。


 しかしこの日のワタシは、あまりの寒さにユニクロのフリースをモモヒキ代わりに履いていた。足元はパンツ+フリース+スラックスの三重構造。ガスは拡散しにくい状況だった。
 さらに、上にはロングコート。尻周りがすっぽりと覆われ、ガスがこもりやすく、拡散しにくい状況になっていた。
 拡散しなかったガスは上昇し、鼻腔を直撃!
 く、くさい…。
 状況、ガス!
 しかしこれは自分がしでかしたことだから、我慢すればよい。
 周りの人たちは、この異臭をどのように感じているんだろうか…。


 と、ワタシの後ろでキャアキャア騒いでいた女子高生の一人が、
「…っていうか、なんか、クサい!」
「うん、なんか匂うね…」
とか、急にヒソヒソ言い始める。
 あああああ。ごめんなさい…。
「っていうか、クサい!」
「いやっ、めっちゃクサい!」
 えええええっ!? そんなにクサいですかぁぁぁ?
 電車の中は阿鼻叫喚地獄
 これがッ!
 これこそがッ!
 通勤地獄なのだッ!