ーOOO-ダイ・ハード/ラスト・デイ

 

 いやはや、たいへん好みな映画だったですよ。多少のご都合には目をつぶって、存分に楽しんでまいりました。


 「1には及ばないじゃないか!」とか言う人が多いのですが、本作に「ダイ・ハード1」みたいな作品を期待していたみなさんは残念でした、っていうかそんなにダイ・ハード1が好きなら家に引きこもってブルーレイでエンドレス再生してれば良いじゃん?
 本作は、ボコスカぶんなぐって、バリバリ打ちまくって、脳汁が出まくりの破壊的なカーアクション。ガンアクションでバンバン死んで、ドカーンガシャーンとブッ壊れて、スカッとして、頭をカラッポにして見るにはちょうど良い感じでありました。
 あと、長くなくてよかったですな。ムダに長いとダレちゃうからねー。
 登場人物が多くて「カネがかかってるなー」という感じなのですが、その反面「主要な登場人物」は片手ぐらいの人数なので、すんげえわかりやすい映画です。
 劇場の大画面・大音量で見ることにこそ意味がある映画で、コレをブルーレイとかテレビ放送とかで見ても仕方ないじゃーん? 気になるなら劇場に見に行ったらどーよ?


 カーアクションに関しては、カーチェイス成分が少なめで、カースタントと車両破壊が多めでしたな。個人的にはカーチェイスが好きで、ドリフトとかの見事なドライビングテクニックも見たかったのですが。いやでも、ド派手でよかったです。
 CGの技術は天井しらずで上がってるワケで、カーアクションに限らず、いまどきの映画の撮影技術だとどんなシーンだって撮ることは可能なわけですよ。
 というときに、
「実際にそれは可能なのか? 不可能なのか?」
という問題があって、映像としては成立していても、パッと見て「それは不可能だえー」と思うシーンがあると、急に冷めてしまうわけです。
 と同時に、
「映画の絵的に見栄えがするか? 地味なのか?」
という問題もあるわけなのです。あんまり地味だと、カネ出して見た甲斐がないじゃん?
 今回のダイ・ハードは、そこいらへんのバランスがギリギリ「有り」な感じで、ワタクシ好みだったですな。
 んまー、言い出せば「放射能に関する描写はどうだろう」とか有るんだけどね…。


 映画本編から遠く離れて。
 本作の主人公・マクレーンと、その妻・ホリーはうまくいってなくて、別居中。
 今作でもホリーは映画にまったく登場しませんでした。
 ただ、映画には描かれなかったけど、気配として、マクレーンは時々…年に1回くらいは妻に電話してそうな雰囲気がありましたな。
 あと別な話。たとえば、別居中の夫という存在があると、妻は母親として子供たちに、夫についての悪口を聞かせちゃうケースって、ありませんか?
「あなたたちのお父さんはだらしなくて…うんぬん、ぶつぶつ」みたいなグチを毎日聞かせているウチに、その言葉は呪いとなって、子供たちは父親が嫌いになってしまう、みたいな。
 だけど、ホリーはあんまり夫についての悪口を子供たちに聞かせなかったっぽいですな。言ったとしても
「あなたたちのお父さんは、刑事としては本当に立派な人だけど、仕事熱心なあまり家庭を顧みない人で、父親としては失格だったわね」
くらいの話で止めたんじゃないかなー、という気配があって、ワタクシ的にはちょっとグッときました。
 まあ本編にそんなシーンはこれっぽっちも無いのですが…。