ーOOO-おつかれ

 愛しの子ネコちゃんが待つ家に帰るのは、楽しくもあり、ツラくもあり。
 生後3ヶ月くらいの子ネコにはきちんとしつけをしてあげなければならないのだが、こちとら一人暮らしのサラリーマン。ずっとそばにいてあげるわけにもいかない。でも世間並みにキチンとしてあげたい。うーむ。


 ところで。
 昨日は仕事が忙しくて特別疲れていて、帰りの電車の中で眠ってしまうほど。
 グッタリしながら家に帰ると、子ネコちゃんは
「にゃー♪」
と、全力でやってくる。
 エサをあげると、もうぜんとカリカリを食べ始める。
 半月前に雨にずぶ濡れで震えていたときは体重500gだったのに、今では体重が1.1kgになっている。
 食べたえさの量はトータルで600gくらいのはずなのだが、食べたぶんだけ身になっている感じがする。その驚異的な成長度合いにびっくりする。


 食べ終わった後の子ネコは、これまた「にゃーん♪」と甘えてくる。
 力一杯遊んであげたいところだが、この日は特別疲れていた。
 でも、ほったらかしも気の毒だ。
 ワタシは子ネコをケージから出して、部屋に野放しにしてやった。
「にゃーん♪」
 全力で部屋を走り回りはじめる子ネコ。
 ほっておくと、隅っこでカリカリと爪を立てる音がする。
 ほんとうはその一つ一つを注意して回りたいところだが、疲れていてそんな気力は無かった。
 すごくうれしそうだなあ。
 いつも狭いとこに閉じ込めておいてごめんよ。
 ああ、でも部屋の変なところにイタズラされるといやだなぁ。どうしよう。
 そんなことを思いながら、ワタシはいつの間にか眠ってしまった。


 ふと目が覚めたら、真夜中だった。
 そうだ、子ネコはどこに行った?
 と同時に感じる背中のぬくもり。
 子ネコはワタシの背中にくっついて、丸くなって眠っていたのだった。