ーOOO-3Dテレビはいま、どうなっておるのか - 2013年・夏 -

 個人ブログとしてはかなり早い段階から3Dテレビに着目していた当ブログなのですが、そこにこんなコメントが舞い込んできたのです。

はじめてコメントしますが、3d映像や3d対応テレビなどについて検索していたらヒットしました。教えていただきたいのですが、展示会で3d映像をお客さんに見てもらいたいと思っていて、機材一式購入する事考えています。今現在どのへんの機種がおすすめかもしご存知でしたらお教えください。(よんだ記事は2011年でしたので)
裸眼3dより面白いので眼鏡(偏光眼鏡)をかけてもらうというのを考えています(偏光めがねも1体が百円とかで買えるようなもの)カメラはソニーHDR-TD10を見当しているんですが、これ+偏光めがねで見れるモニター(スクリーン)でお薦めがあったら教えてください。よろしくおねがいします。

http://d.hatena.ne.jp/an_dan_go/20130608/1370697701#c

 ということで、質問の答えを考えつつ、まずは2013年夏の3Dテレビ状況はどうなっているのか、ちょっくらしらべてみました。


 で、まずは3Dテレビの表示方式について。
 ワタシが以前書いた記事の中で紹介したのは、偏光式3Dテレビとシャッター式3Dテレビでした。
 その両者の特徴を、長所短所混ぜながら説明すると…

シャッター式3Dテレビ

  • 左右の画像を、高速に切り替えて表示する
    • ブルーレイなどのフルHDの情報量を落とさずに表示できる
    • 切り替え時にちらつきが生じるので、目が疲れやすいとされる
  • メガネが必要
    • 電気的に左右のオンオフを切り替えるので、メガネが高価で重くて、充電が必要

偏光式3Dテレビ

  • 左右の画像を、水平方向の偶数ラインと奇数ラインに振り分けて表示する
    • 片目で見たときに、水平方向に隙間が見えるのが気になることも
    • 表示切り替えのチラチラ感が無いので、目が疲れにくいとされる
  • メガネが必要
    • 偏光フィルムで作られているので、メガネが安価で軽い


 より詳しくは、以前の記事をお読みくださいませ。

 さらに、メガネのいらない3D表示というのも普通になってきました。これはニンテンドー3DSとか、テレビだと東芝REGZA 55X3に搭載されている機能なのですが、ここでは割愛します。
 で、以前の記事の中でワタシは、偏光式3Dテレビを押しました。
 その理由は、メガネが軽くて安いということでした。


 さて、ではいよいよ2013年夏の3Dテレビの状況を見てみることにしましょう。
 3Dテレビ市場は盛り上がりを見せるのかと思いつつ一瞬でしぼみ、3D映画もアバター以降は大きなヒット作が出ない印象です。
 不景気とかエコポイント終了とか地デジ化完全移行が済んだとか重なっちゃって、すっかりテレビが売れなくなっちゃってる昨今、3D機能はアピールされなくなったものの、各社ハイエンドモデルには3Dが当然ついている、というのが現状です。


 2011年当時は3Dテレビと言えばアクティブシャッター式3Dが主流で、LGと東芝の一部機種だけが偏光式3Dテレビだったのですが。
 2013年夏現在、どうやら3Dテレビの主流は偏光式3Dに移りつつあるようです。
 ココで注意したいのは、家電メーカー各社のあいだでは偏光式3Dテレビの呼び方がちょっとずつ違っていて、このためAmazonとかで「偏光式3Dテレビ」というキーワードで検索をかけてもヒットしません。

メーカー名 偏光式3Dの呼称
LG CINEMA 3D →Amazon
Panasonic 偏光フィルム方式 →Amazon
東芝 シアターグラス3D →Amazon
SONY パッシブ方式 →Amazon

 便利なようにAmazonにリンクを貼ってみましたが、これでもまだ不十分です。
 東芝ソニーは、発売になったばかりの最上位モデル4k2kテレビに偏光式3Dを装備したのですが、さっきのAmazonの一覧にはまだ反映されていません(発売されたばかりだしね)。


 さていよいよ質問を寄せてくださったひかるさんへの回答を。
 上記のAmazonへのリンクなどを参考に、いろいろご検討ください。
 展示会目的ということなので、画質で選ぶなら4K2Kモニターでの偏光式3Dはいかがでしょうか。
 ソニーだと BRAVIA X9200A が。
 東芝だと REGZA Z8X がそれにあたります。
 4K2Kモニタだと、偏光式3Dでも偶数ラインと奇数ラインの間のスキマが気にならず、フルHDの情報量を減らすことも無く表示することが出来て、画質面で文句なしです。


 とはいえ上記のモニターだと1台50万円を超えるので、導入するのもビビりますね。
 展示会目的なら、3DでフルHDのモニターを何台も導入するほうがお客様への訴求力が上がるかも(どんな展示会なのかにもよりますが)。


 3Dメガネは、国産メーカー製のモノが1個800円前後のようですよ(他メーカーで流用する場合は自己責任です)。


 展示会目的で、大画面が必要ならば、プロジェクターの導入も検討したいところです。
 以下の機種はアクティブシャッター式3Dですが、スクリーンに100インチの大きさにまで拡大して表示することが可能です。

 プロジェクターが約25万円、3Dメガネが8000円というのはかなり高価ですが、展示会で使用するという目的を考えた場合、大画面の訴求力も捨てきれません。
 4K2Kで80インチ級の液晶3Dモニターを考えると100万円くらいかかるでしょうから、それと比較すると現実的なのでは無いでしょうか。
 予算や展示内容などと照らし合わせて、いろいろご検討くださいませ。


 んで、最後に。
 3Dテレビそのものが話題になることは少なくなりましたが、しかし対応テレビやその表示形式の選択の余地が増えている、というのが2013年夏の3Dテレビの現況のようです。