ーOOO-寝た子を起こす

 全ての物が寝静まったような深夜に、ふと目が覚めてしまった。
 左腕に違和感。
 見れば、左腕を枕にして、子ネコの杏ちゃんが眠っていたのだった。
 ふわふわであったかくて、うはっ、かわいい♪
 しかし、そこにはズッシリとした重さが感じられた。子ネコの体重は1キロちょっとのハズなんだけど、眠った子ネコが全体重をあずけているせいか、それ以上重く感じられた。
 左腕の重さだけでなく、左ひじや左肩にも違和感があり、寝返りが打てないことから窮屈さを感じまくっていた。


 寝た子を起こしたくは無いが、もうオイラの左腕は限界だ…ッ!
 いや、寝た子ネコを絶対起こしちゃいけないって事は無いわな。
 思えばオイラはこの子に朝早く起こされっぱなしだし。最近よく眠れてないし。
 そうだ、起こしたって別にかまわないよな!
 起こしちゃおう!
 と思いつつも気が引けて、子ネコの枕になっている左腕を、そーっとそーっとていねいに、引き抜く。


 「ニャーン?」
 うわうわ、ごめんごめん、起こしちゃったかな?
 子ネコはアクビなんかしている。
 まあまあ、お互い眠いだろうし、まだ朝には早いから、もうちょっと寝ようよ。ね?
 子ネコは布団を抜け出して、そのあと背伸び。
 そこから、ドタバタと遊びはじめてしまった!
 遊び心に火がついて、部屋中で大騒ぎ。
 どっすーん、がたがたがたーん!
 うわうわ、ごめんごめん!
 つくづく思った、やっはり寝た子は起こしちゃいけないモノなのだ!