ーOOO-しずかなよるに
我が家の子ネコの杏ちゃんが、生後6ヶ月くらいの体重2.5kgということで、そろそろ不妊手術を考えなければなりません。
当然、手術にはメリットとともにデメリットもあるのですが。
手術をするか、しないのか。
ネコ本人には選べない重大な決断をオレが決めてしまう…というのは、やはりどこか後ろめたく。
だけど、「発情期が来ると一ヶ月くらい鳴きつづける」「と同時に、家の周りを発情期のオスネコが取り囲み、これまた鳴き始めるので大変うるさい」のは困るし、あと現実的に子ネコがこれ以上生まれても飼う自信がない。
ごめんよっ! オレの都合で、手術を受けてもらっちゃうよっ!
後ろめたさで心が痛い。
この期に及んで、ブログ上で善人面をしたいという、汚い自分。
病院に連れて行くために、ネコ用のキャリーバッグをガスーンと用意して、フタをばっくり開けて。
さあさ杏ちゃん、こっちにおいで…。
と。
何かイヤーな予感がするのか、こっちに来やしない。追いかければ、逃げる。とっつかまえてバッグに押し込むと、フタをする前に、しゅるりと逃げていく。
おーい!
ようやっとキャリーバッグに入ってもらう頃には、疲れ果ててしまった。
そこから動物病院へ連れていく道すがら、杏ちゃんはとにかくニャアニャア鳴いて。 …すんごく後ろめたいッ!
ようやく病院に連れて行ったときには、疲れ切ってしまいました。
ネコの不妊手術がどういうダンドリなのかワタシは知らなかったのですが、病院に行ったら即手術→入院 …というわけではありませんでした。
ウチの動物病院はわりとていねいで慎重だったので、手術の前にレントゲンを撮って、血液検査をしてもらいました。この事前検査で1万円ちょっとお金がかかりました。
そして検査の結果を待ってから、後日手術ということになりました。手術代はいろいろコミコミで3万円くらいかかるとのこと。うぎゃー! 大変だぁ…。
その日の帰り道はお金のことでアタマがいっぱいになってしまって、さっきまでの後ろめたさは吹っ飛んでしまいましたとさ。
んでもって、ネコは手術当日の朝に入院すれば良かったのですが、ワタシは会社が休めなかったので、前日の夜から入院させることにしました。
行きは例によってニャアニャア大騒ぎだったけれど、帰りはからっぽになったキャリーバッグを持って帰ってきました。
家に帰ると、シーンとしている。
真っ暗な部屋の中で一人、思う。
ま、たまにはこんな日があってもいいや。
いっつも朝の4時頃になるとネコの大騒ぎが始まって、なかなか寝かせてもらえないんだし。こんな日があっても、いいよね。
いつもよりたっぷり寝よう。
そしてワタシは目をつぶって、すーっと寝てしまう。
今夜は静かな夜なのだ。
なのに、朝の4時頃になると、目が覚めてしまう。
ここ3ヶ月くらいは、朝4時くらいになると目が覚めていたからな。
今頃の時間になると、子ネコの杏ちゃんはふとんのすみっこをチョイチョイ押してきて「入れてくれ」ってせがんでたっけ。そうなると、うるさいから目が覚めてしまったっけ。
今夜は静かな夜のハズなのに、目が覚めてしまう。
今夜は静かな夜のハズなのに、あいつがいない。
目をつぶって、もういちど寝ようとする。
眠れない。
寝苦しい。
ちょっとトイレに行って。
戻ってくると、ふとんがヒンヤリしている。
ああ、いつもなら杏ちゃんがふとんを暖めてくれてたんだっけ。
子ネコを飼って、4ヶ月ほど。
アイツがずいぶんとかけがえのない存在になっていたことを、思い知らされる。
今日は手術の当日で。
手術の時間は仕事中だったのだが、やっぱりそわそわした。気が気じゃなかった。
夕方、病院に電話。手術は無事に成功したとのこと。ホッとする。
今夜も杏ちゃんは病院で夜を過ごす。
そして今夜も我が家は静かな夜だ。
アイツがずいぶんとかけがえのない存在になっていたことを、今夜も一人、かみしめてすごそうと思う。