ーOOO-おかえり、杏ちゃん

 子猫の杏ちゃんの手術は無事成功…ということで、先日の日記の続きです。
 あれから一泊入院して、その翌日に迎えにいった時のオハナシ。


 先生は入院中の杏ちゃんのようすを話してくれました。
「最初のうちはケージの奥で小さくなってましたけど、次の日は前に出て来てニャンニャン鳴いてましたよ。けっこうひとなつっこくって好奇心旺盛な感じでしたね」
「お食事はですね、カリカリはそのままでは食べなかったんですけど、ちょっと鳥のスープをかけて柔らかくしてあげたら、パクパク食べてましたよ」
 なーんだ。
 安心すると同時に拍子抜け。
 オマエ、思ってたよりは、上手に入院をエンジョイしてたみたいじゃーん?


 んで、プラスチックのキャリーバッグに乗せて、家に帰って来たのだった。
 にゃんにゃんにゃーん!
 いつもの部屋に戻って、興奮する杏ちゃん。
 そういえばネットで読んだ記事に、退院して家に帰った直後は興奮することもあるから、おちつくまでバックに入れておく方が良い、なんて書いてありましたっけ。
 しかーし。
 にゃにゃにゃにゃ、にゃんにゃにゃにゃにゃにゃーん!
 あまりにも興奮していて、バックの中でジャンプしたり大暴れしている。
 これはどうしたことか?
 で、そっとバックの蓋を開けてのぞいてみたら。
 バックの床が、びしょびしょだった。
 これは、イヌがあまりにもうれしかったときにオシッコしちゃう「うれション」みたいなことなのか?はたまた病院で緊張してオシッコができなくて、家に帰って来たらホッとして漏らしてしまったのだろうか?ま、理由はさておき。
 バッグがびしょびしょなら、杏ちゃんはもう、びっちゃびちゃ。
 うげげっ…と思った時にはもう遅い。
 杏ちゃんはカゴを、スルッとぬけだしてしまった!
 もうすっかり大興奮、手も足もおしっこでビショビショのまま、部屋の中をうれしそうに跳びはねる!
 にゃんにゃんにゃにゃーん、にゃんにゃんにゃにゃーん♪
 うぎゃーっ!
 ちょ、まて、おーい!
 どうにか杏ちゃんをとりおさえて、手足を拭いて。
 部屋中の後始末をして。
 ひとあばれした杏ちゃんは落ち着いたのか、眠ってしまって。
 はー、やれやれ。


 しかしコレが、ひたすら眠る。
 ネコは夜行性なので、昼寝をたっぷりするものだ。んで、おいらが家に帰ると大はしゃぎで、ずーっと眠らない。まあ眠らない。だからいままでワタシは、杏ちゃんが寝ている姿をなかなか見たことがなかったのだけれど。
 ところが今夜は、まあよくねむる。
 それも、箱座りになって眠っている。杏ちゃんが箱座りをする様子は、いままであんまり見たことがない。
 いままでは、横にゴロンとなって、手足を投げ出して眠っていた。これは、完全にリラックスした状態だ。
 ところが箱座りというのは、「寒いから手足をしまっている」という理由もあるのだが、「何かあった時に、すっと立ち上がることができる」ということで、どちらかというと緊張した状態らしい。
 箱座りで緊張しながら、ワタシの体にぴっとりと寄りそって、眠る杏ちゃん。


 


 オイラはオイラで寂しい夜を過ごしていたけれど。
 だけどホントにつらくて痛くてさびしかったのは、おまえなんだよな。


 そして夜も更けて。
 オイラが布団に横になって電気を消すと、杏ちゃんもモゾモゾと布団に入ってきた。
 いつもなら、3分くらいすると布団を抜け出したりするのだけれど。今夜の杏ちゃんは、オイラの体にぴったりくっついて眠っていた。
 ぶぶぶぶとノドを鳴らしていて、その鳴き声はオイラの体に直接ひびいてくる。
 お、鳴き声が聞こえなくなったな、と思ってふとんをめくったら、杏ちゃんは目をしっかり閉じて、深い眠りに落ちていた。
 ぴったりとよりそう杏ちゃんの暖かさを感じながら、オイラもいつの間にか眠っていた。


 翌朝。
 起きて目が覚めたら、ふとんがほんのりオシッコ臭い。
 あれは杏ちゃんが昨夜オシッコをもらしたあとのこと。手術が終わったばかりだったから風呂に入れるわけにもいかず、体を拭いた程度で済ませていたのです。
 だから、隣に寝ている杏ちゃんのオシッコ臭さが、オイラにもうつってしまったのでした。トホホ…。