ーOOO-silent night

 夏の夜はタオルケットで寝ていたワタクシ。
 このとき、子ネコの杏ちゃんさんはタオルケットの中に入ってきて、小さく丸くなって眠っていたモノでした。


 秋になり冬になり季節は移ろい、毛布が増え布団が増えるころ、杏ちゃんはワタシの布団の中に入ってこなくなりました。うう、さみしい。
 コレ考えるに、タオルケットの頃はともかく、布団が増えてくると布団が空気を通さなくなり、中にいると息苦しく感じるのではないか、と。
 そして杏ちゃんは布団の中に入ってこなくなった代わりに、ワタシの布団の上にのっかって眠るようになりました。
 もちろんコレはコレでうれしいんだけど、布団が動かないように重しが乗っかった状態になるので、動きが束縛されて寝返りが打てなくなり、目が覚めるとカラダがバッキバキになっているのです。ワタシは腰痛持ちなので、結構キツイというか腰がヤバくなるのです。


 んで、一計を案じる。
 ネコが布団の中でも息苦しくないスペースを確保する対策の一環として、コタツを投入しました。
 このとき、コタツの脚にスペーサーを噛ませて高さを10cmほど上げる。するとコタツの天板にカラダがぶつからなくなるので、寝返りが楽に打てるようになり、ワタシもそのまま眠れるようになったのです。
 ネコはコタツで丸くなる、というのは本当。足もとで丸くなって寝ている杏ちゃんと一緒に、コタツで丸くなって寝るオレ。ふふふのふ。


 しかし、この作戦にも欠点はありました。
 というのは、コタツをかけたまま寝ると、やたらとノドが渇くのです。あと、なんか脚の血の巡りが悪いような気がするんだよね…。
 ちょっと調べてみると、コタツをかけっぱなしで寝ると健康に良くないらしい。ふむーう、やっぱりそうなのか…。


 んで、コタツを止めて、布団に湯たんぽで寝ることにしました。
 寝てるときに手足が寒くなるのは、お腹が冷えているのが原因なので、おなかを温めるように湯たんぽを使ってやると、やがて手足も少しずつ温かくなってきます。
 で、寒がりの杏ちゃんは、暖かさを求めて布団に潜り込んでくるようになりました。だけど湯たんぽは近づきすぎると熱いし、かといってふとんに潜り込むと息苦しい。
 いつのまにか杏ちゃんはカラダだけ布団の中に入れ、オイラの腕にアタマを乗せて、腕枕で眠ることを覚えたのでした。


 ところで先日、「朝の4時頃になると杏ちゃんが目を覚まして鳴きまくるので、うるさくてよく眠れない」という記事を書いたのですが、その続報。
 朝になると杏ちゃんが鳴いて鳴いてうるさいので、よく眠れない。
 んであるとき、ちょっとトイレに行ったんですな。
 そしたら杏ちゃんがついてきて。
 寝室の外に出られた杏ちゃんは大はしゃぎで。あっちこっち走り回る。
 朝も早よから追いかけっこ。
 どたばた、どたばた。
 5分ぐらい追いかけて捕まえて、寝室に連れ戻した。
 と、寝室に戻ってきた杏ちゃんは、それまでの夜泣きと大暴れがウソのように、布団に入って寝ちゃったのですな。


 んで、考えた。
 ネコには、朝の4時とか5時とかに散歩する習性があるらしく。で、夜泣きをしていたのは「散歩がしたい!」と、野生の血が騒いでいたらしく。
 朝、ちょっと追いかけっこをすることでその散歩欲が満たされるらしく、寝てしまう、と。
 なーんだ、簡単簡単!
 ネコが夜泣きをしたら、ちょっとトイレに行って、ついでにちょっと追いかけっこをすればいいじゃね?


 この作戦は、当たった。
 杏ちゃんの夜泣きがとまらなくなったら、夜中にトイレに行って、逃げちゃった杏ちゃんを探しだし、寝室に連れ戻すだけ。もうこれだけで杏ちゃんはびっくりするほどおとなしくなった。
 それから、いままでは夜に起きるときは「なるべく杏ちゃんを起こさないように…」と気を遣っていたんだけど、これをあらためて、起きるときにはフツーに起きることにした。オイラがいないのにフッと気がついて、後から追っかけてくるのも楽しいモノらしい。
 朝の4時頃の夜泣きを止めてしまえば、朝の6時半頃まで杏ちゃんはおとなしくしていてくれる。
 静かな夜が、戻ってきた。
 杏ちゃんとオイラは、お互いのちょうどいい距離感を構築しつつあった。


 ところでここ1週間ほど、寒さが厳しくなってきて。
 夜中にトイレに起きた後、どうにも寒くて仕方が無い。
 一刻も早く暖かい布団に戻りたいので、杏ちゃんをサッと捕まえて布団に戻るオイラなのだった。
 しかしあまりにも「サッ」と連れ戻しちゃうので、杏ちゃんの散歩としては物足りないらしく、あとで「ニャアニャア!」と不満の声を漏らすこともしばしばだ。
 いや、でも、寒いからさぁ…。
「ンニャーッ!!!」


 
 杏ちゃんが腕枕してアゴを乗せてる写真なんだけど、オイラがヒジで杏ちゃんを押しつぶしてるようにも見えるのが残念。んーむ。