ーOOO-イオン幕張新都心、その起死回生の一打はコレだ!

 イオン幕張新都心店。それは、昨年12月にオープンしたイオンの新しい旗艦店です。
 イオンの本社がある幕張に位置し、大成功を収めた埼玉のイオンレイクタウンに次ぐ売り場面積を誇ります。その気合いの入りようはハンパではなく、映画館の設置は当然のこととして、スターバックスを併設したTSUTAYAは代官山蔦屋のような贅沢な空間となっています。さらに、よしもとのお笑い劇場を併設、などなど。


 ワタクシ恥ずかしながら千葉県民ですから、つい先日、ふらりと偵察してきました。
 しかし、オープンしたばかりのピカピカの巨大な空間は閑散としていて、というかガラーンとしていて、うすらさびしかったのですね。
 いや、見に行ったのが平日だったので、まあこんなものなのかな、と。
 ところでつい先日、「ぴあ」でこんな記事を発見。

 混んでるっちゃー混んでるけど、オープン3ヶ月目としてはお寒い状況みたい?
 幕張は交通が不便な場所だけれども、近隣に大きな団地がたくさん並んでいるし、線路の向こう側はビジネス街になっているから会社帰りの人たちがふらりとやってくる可能性だって十分あるはず。
 なのに、イマイチお客さんが入らない。


 ワタクシ思うにコレは、イオンが大きな失敗をしているのだと思うのですよ。
 イオンは、千葉県民のマインドがわかっていない!


 その大きな失敗とは何なのか。
 それはズバリ、店名を「イオン幕張新都心」と命名してしまった、ということです。
 店名は「イオン新東京」とか、「イオン東京ベイ」とかにしておくべきでした。


 千葉県民のマインドをワタクシが語らせていただくならば、「千葉県民は千葉がキライ」なのです。あ、郷土愛はあるのですよ、だけどそれとこれとは別。
 千葉にあるのに”東京ディズニーランド”とはよく言われる話で。
 ”成田国際空港”は”新東京国際空港”の名前のままのほうがよかったなあ、と今でも思っている。
 なんだかわかんないけれど、千葉にあるのに”東京ドイツ村”なんてーのも、ある。
 あるいは、船橋にある"ららぽーと"は、"ららぽーと船橋"ではなく、”ららぽーと TOKYO-BAY”と呼ばれています。ちなみに、お台場のあたりのレインボーブリッジを眺められる”ららぽーと”のほうが、よっぽどTOKYO-BAYという名にふさわしい感じがするのですが、あそこは”ららぽーと豊洲”と呼ばれます。
 そういう、「千葉県民のはるかなる東京へのあこがれ」「千葉県民の県民意識の低さ」をくすぐるような、繊細な言い換えが望まれるのです。


 それからさらによくないのが、「イオン幕張新都心」の「幕張新都心」という言い回しです。
 「幕張」っていう場所は、千葉県民から見てもそんなに便利な場所じゃない。なのに、無造作に「幕張」という単語と「新都心」という単語を合体させる、その絶望的な言語センス! 千葉県民以外に指を差して笑われる様子が目に浮かぶ! はずかしいったらありゃあしない。ううううう。ごめんなさい、ごめんなさい。
 さらに、幕張新都心という単語は、バブルの頃に幕張という街の再開発がすすめられたときの記憶を背負っています。幕張に高層建築が立ち並び、日本の名だたる大会社が誘致され、それが失敗し、次々に撤退していき、閑散とした街になってしまった…。そういう、幕張という街の負の記憶が「幕張新都心」という単語に染みついているのです。
 ううう、幕張新都心…近づきたくない!


 ということで、可及的速やかに「イオン幕張新都心」という店名の変更が望まれるのです。
 しかし開店3ヶ月で店名を変更するというのはなかなか恥ずかしいものです。
 ここで、現実的な店名変更計画の実行例を提示します。
 それは、「イオン幕張新都心」という店名はそのままに、キャッチフレーズとして「東京ベイ」などのコトバを用いる、という作戦です。
 CMのときにはキャッチフレーズとして「東京ベイ、イオン幕張新都心」「東京ベイ、イオン幕張新都心」と、常に続けて言うようにします。
 そして開店から3年程度経過したところで、あらためて「東京ベイ・イオン」を新店名として発表する、というものです。
 いかがでしょうか、この作戦。
 成功の暁には、イオン様は当方の口座に適当な成功報酬を振り込んでくださるなり、黄金色の最中を何個も何個も送っていただくなり、なにとぞよしなに。


 ま、オープン直後にしては空いているとはいえ、閑古鳥が鳴いているというほどでもないので、あの「ピエリ守山」を越えるようなことはないでしょうから、テコ入れなんかしなくても大丈夫でしょうけど。
 いや、まさか?
 流通最大手のイオングループが、全力を挙げてピエリ守山を越えるような日本一のショッピングモールを作ろうとしているのだとしたら…、いや、まさか、まさか…。