ーOOO-春眠、暁を覚えてほしい
ピピッ、ピピッ、ピピッ・・・
いつものように、どこか遠くで目覚ましの音が鳴る。
オイラはとっくに目が覚めている。
ピピッ、ピピッ、ピピッ・・・
だが、ワタシにその音を止めることはできない。
なぜならそれは、うちの目覚まし時計ではなく、ご近所さんの家から鳴り響いてるからだ。
あそこの家がうるさい・・・ということはおそらく、今年の春から中学生になった男の子なのかな?と、見当をつける。
たぶん、彼は新しく運動部かなんかに入ったのに違いないのだ。そして疲れて帰ってきて、勉強かそれともテレビかゲームかなんかで夜更かしして、朝は眠くて眠くて起きられないに違いないのだ。
そして、ご両親はそんな息子の成長を見つめている。目覚ましが鳴っているのは知っているし、起こさないと息子が部活の朝練に遅刻してしまうこともわかっている。けれど、親に甘えて起こされるのを待っているようでは困る。自立のためには自分一人で起きられなければならない。
とびきりうるさい目覚まし時計は、ねぼすけさんのために、いつまでも鳴り続ける。
ピピッ、ピピッ、ピピッ・・・
ってか、俺は関係ないから!
毎朝うるさいから!
貴様が遅刻しようがなにしようが知ったことじゃない、ああもうウルサーイ!