ハツカネズミが灰色に? ─◯◯◯-

中学のころは柔道部だったが
高校のころは生物部、と
180度のコース転換をしたワタクシ。

文系の部活の多くが多分そうであるように
部活そっちのけで
マンガなんか読んで時間をつぶすことが多かった。
部長はそのことについて何も言わなかった。
っつーか率先してマンガを読んでいた。
っつーかワタクシが部長だった。

ヨソはどうだか知らないけれど、
漫研アニ研とかの「あっち」に行くヒトより
そうでない部活のヒトのほうが
オタクだったような気がする。
たとえば吹奏楽部とか、生徒会とかな。

「あっち」のヒトの近寄りがたさ・閉鎖性を排除した
我々の生物部は、なんだか居心地がよいらしく
よその部活から来て入り浸るヤツとか
帰宅部なのに入り浸るヤツとかがいた。
っつーか、ならウチに入部しろよと思った。
正式な部員数は5名だったが、
なぜか常時10人程度が出席していた。

「破いてハツカネズミのケージに敷くから」
とかなんとか理由をつけて
我々は大っぴらにジャンプを学校に持ち込んだ。
んで、好き勝手にマンガとかを持ちよって
部員同士で読みあったりした。

破く雑誌に困らなかったので
ハツカネズミの敷物は毎日交換。
ケージの中は常にきれいに保たれていたが
真っ白だったハツカネズミのおなかは
どんどん真っ黒になって
しまいには全身灰色の
ドブネズミ風のハツカネズミになってしまった。

雑誌のインクがネズミの体についていることに
気が付いたのはだいぶ後のことだった。