タナに上げたら落ちてくる ─◯◯◯-

飲み屋で友達が言ってた話。

「仕事でいろいろあって
 『あー、この仕事やっぱ自分に向いてないわー。
  辞めちゃおっかなー』
 とか思ってたわけよ。
 もう、つくづくダメだなーと思って。

 んで、こないだ○○と飲んでたら、
 そいつが
 『今の仕事は自分に向いてない!
  もー、あの会社辞めちゃおうかな!
  っつーかあの業界から足を洗いたい!』
 とか言ってるわけよ。

 だからオレは言ってやったわけよ。
 『今まで10年以上やってきた仕事を辞めちゃって
  転職してゼロから出発するのは
  もったいないぜ?
  自分より年下の先輩にヘコヘコしなきゃなんないし。
  この年になってそーいうの、ツラいぜ?
  苦しいことが重なる時ってあるけど、
  ふんばってさぁ…』
 みたいなことを。

 自分もついさっきまで
 『仕事辞めてえなぁ…』って
 思ってたのに。
 自分のことタナに上げちゃってな。
 タナに上げちゃってエラそうな能書きたれちゃって。

 帰り道に自分のセリフを思い出して
 まー、ご立派なことを言っちゃったから
 顔から火が出そうになっちゃってさ。
 ソレをタナに上げっぱなしにはできなくって
 タナからときどき頭にガーンと落っこってきて。

 うわー。
 …なーんか飲まずにいられない」