閉店在庫処分セールに乗り遅れる ─◯◯◯-

仕事でへとへとの帰り道、
近所のさびれたCD屋の前を通りかかったら
「今月中に閉店します」と、張り紙。
ふと思い出して、
財布からこの店のポイントカードを引っ張り出すと、
ポイントが2千円分も貯まってた。
ぐずぐずしていると
今月一杯でこの二千円のポイントカードは紙切れになってしまう!
迷わず私は店に入った。

しかし私は閉店の告知に気が付くのが遅かったようで
もともと品揃えがいいとはいえなかった店内からは
すでに目ぼしい商品は消えうせていた。
新譜の入荷も既にストップしたようだ。
何を買うべきか、長考。
タナを隅々まで見回し終わり、二周目に突入。

背中にねっとりとまとわりつく、店のオヤジの視線。
タナをゆっくり、ゆーっくりと眺めていくオレ。
時間の流れが、空間の広さが、ねじ曲がっていく…
そのとき私は
自分はマクー空間に引きずり込まれたのだ、と悟った。
(まぬけ時空と読み替えたっていい)

日本のポップス(男性ボーカル「は」)のタナに置いてあるのは
波田陽区の「ギター侍の歌2」。
「いつのまに2が出ていたんだ!」
と驚かされつつ、となりを見ると
はなわのCDがズラズラと並んでいて、
そのコーナーからは負のオーラみたいなものを感じたりした。

アニメ、ゲーム音楽のタナの前に行けば
センチメンタルグラフティ
センチメンタルグラフティ
センチメンタルグラフティ…と同じようなCDが並んでいて、
しかもそれらはどうやら一枚一枚違う物らしいと言う驚愕。

あまたある売れ残り処分DVDの中で
ひときわ巨大で豪華な感じが
逆に悲惨さをかもしだす
風の谷のナウシカDVDコレクターズボックス。
しかも2セット。

店内を三周したって四周したって
買いたい物なんぞ見付かりはしないのだ。
欲しい物を探すのではなく、
タダなら手元に置いておいてもいいかなーと思える物を探す方向へと
発送を転換。

結局、いまさらマツケンサンバを買って帰った。

しかしこのチョイスはなかなかよかった。
多忙でココロが殺伐としているときでも
マツケンサンバIIを聞けば
どーでも良くなる。
「カラ元気でも元気」という言葉もあるけれど、
この曲は私を元気付けてくれる。