ーOOO-「必ず書ける あなうめ読書感想文」を読んで

 この本のさくしゃの青木せんせいは、なんてへんてこなアイディアの持ち主なんだろう。これが、読みおえたときに、さいしょに感じたことです。まさか、あなうめで読書かんそう文が書けるとは、思ってもいませんでした。
 青木せんせいは、なぜそうしたのでしょうか。
 青木せんせいの立場になってよく考えてみると、その気持ちが想像できます。わたしにも、宿題を後回しにして、ついテレビを見てしまうことがあるからです。
 わたしが青木せんせいに親しみをもったのは、どこか自分とにているところがあるからかもしれません。
 青木せんせいもわたしも、楽をしてトクをしたいせいかくなのです。
 これから先、読書かんそう文を書くとき、きっとわたしは青木せんせいのことを思い出すでしょう。
 このお話をよんで、自分のせいかくを見つめ直すことができてよかったと思います。

 というわけで、実際に穴埋めを使ってこの本の感想文を書いてみたんだけど、いかがでしょうか?

おうちのかたへ


「えっ、穴埋めで読書感想文を?」と、マユをひそめたくなる気持ちも分かるんですが、まあ聞きなはれ。
 っていうか、そこでマユをひそめる人には必要無い本ですよね。
 この本は「読書感想文って、何を書いたらいいんだろう…」と途方にくれている小学生たちのための本なのです。


 とりあえず穴を埋めさえすれば、誰にでもサマになった読書感想文が書けます。たとえばこの記事の最初の文章は、穴埋めのサンプルを生かして書きました。
 穴埋めサンプルには、5〜6本の感想文の例が付いてきます。それを読みくらべて、穴埋めに何を入れるかで自分らしさが表現できることを学ぶ、と。
 また、穴埋め自体も5種類のパターンがあります。自分が書きたい読書感想文は、どのパターンなのか? これを選択することで、またまた自分らしさが表現できる、と。


 で、こうやって読書感想文を書きあげても、宿題の指定の分だけ原稿用紙を埋めるには、文字数が少し足りないのではないでしょうか。そこからさらに、何を書き加えるか? あるいは書き換えるか? 考える力が試されます。
 ここでは、この本の最後の「言い換え辞典」が役に立つでしょう。
 読書していておもしろいと感じたことを、ただ単に「おもしろかった」と書くのではなく、
「おなかをかかえてわらってしまいました」
「プッとふきだしました」
「にやりとしてしまいました」
などなど、自分の気持ちにあった言葉で言いかえていくうちに、最初は穴埋めで書いたはずの読書感想文が、いつのまにか自分らしさにあふれた読書感想文へと変わっていくのです。


 ま、読書感想文が苦手な子が、自分ひとりでそこまで上手くやれるか…というと、それは疑問ですよね。
 やっぱりここは、お父さんお母さんも手伝ってあげないと。
 「読書感想文を手伝う」と言っても、お父さんお母さんが読書感想文を書いちゃいましょう、って言いたいわけではないんです。
 そうじゃなくて、「読書感想文はこうやって書くんだよ」ということを子供に教えるための道具として、この本を活用してみてはいかがでしょうか。