ーOOO-素人がF1マシンに乗ってみた
こないだ丸の内にF1マシンがやってきて、シミュレーターによる体験試乗ができる…というので乗ってきたですよ。
やることはゲーム … とはいえ、筐体はホンモノのトヨタF1マシンなので、いやが上にも盛り上がりますな! ってか、ゲームにしては豪華すぎだろ!?
ナムコのドライバーズ・アイは三画面だったけどな…とか、ゲームを遊ぶ上では液晶じゃなくてCRTモニタ、せめてプラズマにして欲しいよな…とか、画面遠いし!とか、大人げないことを言ってはなりませぬ(とか言いつつ書いてますけど)。
2台のF1マシンを比べてみる
このほかにも展示車両として、ホンダのF1マシンもありましたよ。
スペックとかを聴いてくるのを忘れたし、最近のF1にはうといのでよくわかんないですが、それでもパッと見で、2台の世代がずいぶん違うことがわかりますな。
トヨタのマシンはつい最近…'07-'08くらい?
ホンダのマシンは'05…もっと前かも?(勘で言ってますが)
せっかくなので、ちょびっと比べてみますね。
以下、左がホンダ、右はトヨタ。
フロントウイングに注目。ホンダがシンプルな造形なのに対し、トヨタはうねうねしている。
これはメーカー間のデザインセンスの差というよりは、当時のF1の車体規則による部分が大きい。基本的にF1は「スピードが出ないように、出ないように」と規則が変わっていく。
フロントウイングが地面に近いとダウンフォース(空気で地面に車体を押さえつける力)が大きくなるので、ウイングを高くするようにレギュレーションが変わったものと思われる。
リア周りの造形も、スッキリしたホンダに対し、トヨタはゴテゴテしている。
ダウンフォースが減ると操縦性が悪化し、スピンしやすくなる。だから必死でル−ルの抜け穴を探して、あちこちにこまかなウイングを取り付けてダウンフォースを稼ごうとしている。
ここではフロントタイヤの裏に注目。
ホンダのマシンはタイヤ裏にカバーがされ、ブレーキに空気を送り込むように空気導入口があけられている。F1マシンのブレーキは1000度以上の熱を持つと言われる。ちょっとでも早く冷めた方が良い。
しかしトヨタのマシンではこの部分はスッキリしている。レギュレーションで禁止されたのか、あるいは「冷めすぎると効きが悪くなる」と判断されたか? このへん、流行り廃りも大いにある。
タイヤの付け根のサスペンションアームにも注目。トヨタのマシンは薄く、翼断面になっている。こういう細かい部分でも空力面の影響を考えなければならない。
ホンダのマシンでは後部末端に排気管がついているが、トヨタのマシンは上面の中央に排気管が付いている。
個人的に一番びっくりしたのがここ。へー、今はこうなってるんだ…(←半可通)。
繰り返しになるけれど、これらのマシンは設計年次が違い、レギュレーションが違う時代に生まれた車なので、「ホンダとトヨタの違い」ではなくて、「時代が変わるとF1マシンも変わる」という例だと思ってくだされ。
乗り込むのに一苦労
そうこうするうちに順番が来たので、さ、乗り込みますよ!
マシンのその低さにはびっくりします。一番高い部分でも腰ぐらい、乗り込む部分の高さはヒザぐらいなんですから。
あまりにもF1マシンは狭いので、ハンドルを外して乗り込みます。
体育座りから、軽く足を投げ出したようなポーズで潜り込みます。
身動き一つとれないくらい狭いんだけど、運転することだけは可能…というか、運転するため「だけ」のコクピットなのですな。
ちょっと意外だったんですが、電動でアクセルとブレーキの位置だけは前後させる事ができました。
でもシートは前後しない、ハンドルも前後しないということで、ハンドルポジションを取るのが大変です。
ホンモノのF1マシンではドライバーごとにシートの型を取って据え付けるので、体にぴったり来るみたいです。
逆に、予選でクラッシュしてレース本番でスペアカーに乗るとシートが合わない、なんてなことはザラにあるみたいです。
まっすぐ走ることさえ一苦労
んで、走ってみたんですが。
ステアリングは半回転でフルステアでとてもクイック。アクセルはともかくブレーキは岩のように堅くて一苦労。
ゲームっぽい部分が少なく、ホンモノっぽい感じで良かったですな。
他の参加者の人を見ていると、コーナーでクラッシュする人も多いんですが、直線部分でクラッシュしている人がかなり多かったですね。
300キロオーバーで走っていると、ほんのちょっとのハンドルの切れ角で進路が大きく変わってしまう。指先の力で車が大きく動いてしまう。道路の真ん中に車をとどめておくことさえできない。
直線部分でまっすぐ走れずに、リタイアする人もいました。
話がそれるんですけど、グランツーリスモ4って言うドライブゲームを別売りのハンドルコントローラーで遊ぶと、ハンドルがブルブル震えるんですな。カーブでハンドルが重くなる感じとか、道路の凸凹とかを手で感じる事ができるんです。
そのゲームには、ルマン24時間レースで有名なサルテサーキットが収録されています。
サルテサーキットの全長は約13.6キロ。日本で一番長いサーキットの鈴鹿サーキットは約5.8キロ。サルテサーキットは鈴鹿の倍以上長いサーキットです。
あまりにも長いストレートでは、時速400キロに達します。
そうなると、道路の微妙な凸凹を拾って、ブルブルブルっとハンドルが震え出します。
直線なのに、がっちりハンドルを押さえていないと車がフッ飛んでいく。
極限状態では、まっすぐ走ることさえ一苦労なのでした。