ーOOO-大安吉日だったから、年末ジャンボに並んでみた

 
 こないだの木曜日、12月4日は大安吉日でした。
 「ああ、そういえば今年は宝くじを一回も買ってなかったな…」 ということで、年末ジャンボ宝くじを買いに行ってきました。
 大安吉日は運がいい日。ゲンをかついで宝くじを買いに行くなら、もっともっとゲンをかつごうじゃないか!
 っつーことで 「宝くじが日本一当たる!」 と名高い、東京銀座の西銀座デパートチャンスセンターに行ってきたですよ。
 
 数寄屋橋交差点に面した公園の一角は、とにかくすごい人の波!
 とにかく大賑わいなので、売り場の窓口もたくさんあります。ここには18番窓口まであるのですが、そのなかでもなぜか 「”1番窓口” が1番ツイている」ということらしく。
 で、どうせここまで来ちゃったなら、やっぱゲンを担いで、1番ツイてる売り場に並びたいですよね?
   
 1番窓口の行列は、ずば抜けて長い。
 ながくながーく伸びていき、晴海通り沿いを西に進み、山手線の線路の前で折れ、有楽町マリオンを取り囲むようにぐるーっと伸びていました。
 
 写真の真ん中に 「こちらが最後尾」 の看板が見えます。どうやら今日はここから3時間半待ちらしい。行列が長いことは覚悟していたので、iPodで曲を聴きつつ、小説を読みつつ、じわりじわりと前に進んでいくのを待ちます。
 あまりの行列の長さに、通りすがりの観光客のガイジンさんが 「オーウ…」 とか 「ワーオ!」 とか言いながら、ワレワレの写真を撮っていきました。

1時間経過

 ふだん太陽をじっと見ていても、動いているとは感じにくい。
 だが、確かに時間は経過し、地球は動き、太陽もゆっくりと確実に動いていく。
 同じように、ほとんど動いていると感じられない宝くじの行列も、じわりじわりと確実に前に進みつつあった。
 
 ワタシが立っているところは、日陰で寒い。
 ゆっくりと宝くじの行列が前に進むと、ゆっくりと太陽も動いていく。
 あと何歩かあるけば日なたになって暖かいはずなのに、宝くじの行列にあわせたかのように太陽は動き、いつまでたってもワタシは日かげに立つハメになっているのだった。
 ううう、寒い…。

1時間半経過

 ちょうど2時になったので、目の前の有楽町マリオンのからくり時計が動き出し、美しい音楽を奏でています。
 
 3列になって行列している人々がみな、からくり時計に目を向け、見とれています。
 
 ディスニーランドのアトラクションの行列に並んでるときに見る人形劇というか、ソレ的な効果がありますな!

2時間経過

 マリオンの横をぬけ、ようやく首都高のガード下にある西銀座デパート前までたどり着きました。
 持ってきた小説も読み終わってしまい、ワタシは手持ち無沙汰に。
 もう、何もする気が起こらない。
 周りでゲームをやってる人がいたんですが、この人もゲームに遊びあきちゃった風の感じでした。
 ガード下なので日陰だし、風が吹き抜けるので寒い寒い。
 
 斜め向かいにいた人が、突然手を上げて
 「あのっ!すいません!ちょっとトイレに行ってきますので、すいませんがちょっとよろしくお願いしますっ!」 と宣言して、列を離れました。
 心の中でワタシは 「うんうんわかるわかる、さあさあ行っといで」 みたいなことを思いました。
 あの場にいたみんな、同じことを思っていたにちがいない。

2時間半経過

 列は遅々として進まず。
 さっきからチラチラと、宝くじ売り場が見えてます。
 
 宝くじを買いたいお客さんが売り場の目の前に行列を作っているのに、その行列のお客さんはこの売り場からは絶対に買わない。閑古鳥の鳴く宝くじ売り場なので、ココの売り子のおねえさんは手持ち無沙汰そう。
 で、そこに通りすがりのお客さんが宝くじを買いにくると、おねえさんの顔がパァッと明るくなる。ホントにいい笑顔をするのだった。


 ところでワレワレは2時間半行列に並んでいるのだが、なかなか1番窓口が近づかない。あと何分並べばいいんだろう?
 そんな1番窓口を待ちきれなくなったのか、あるいは時間がなくなったのか? 私たちの行列から1人のお客さんが飛び出して、この売り場で宝くじを買って、帰っていきました。
 行列に並び続けるワレワレはその様子を、みんなで見つめていました。2枚上の写真のようにからくり時計を見ていた時のあたたかいまなざしとは違って、脱落した人を哀れむような冷ややかな視線で。

3時間経過

 ガード下を抜け、行列は数寄屋橋交差点前へ。
 目の前に地下鉄の入り口が見えます。写真には写っていませんが、数寄屋橋交差点はソニービルが立っています。銀座のど真ん中だから、人の行き来が激しいです。
 
 ここで写真の左側に警備員さんが立っていて、仕切りのロープが張ってあるのがわかるでしょうか?
 アレが、1番売り場への行列なのです。
 通行人や近隣のお店の邪魔にならないように、ここまでまで私たちは車道側に並んでいました。だけどいまから人の流れをかき分けて、歩道を横断しなければなりません。
 このとき、人ごみにまぎれて1番売り場の行列に割り込んでくるヒトが現れないとは限りません。
 と、いうことで、
 
 いったん 「割り込み防止カード」 というのを渡されます。
 
 コネタ:割り込み防止カードの裏側のメッセージは、一枚一枚違う。


 で、行列に並ぶために歩道を渡るときは、コレをもって、
   
   ダーッシュ!


 3列だった行列はいったん崩れ、並びなおした段階で2列になります。
 そしていよいよ、1番売り場に直接つながる行列へ!
 
 3時間並んだ1番売り場の行列は、ここからさらに30分待ち!
 すぐ横には、1番以外の売り場へ向かう行列が。そちらは20分待ちだというお話です。
「え、なに、あの行列?」
「1番売り場だけ行列が長いわけ? へー。」
「何もそんなに並ばなくったっていいのにねぇ」
「こっちの窓口の行列だって、おんなじ売り場なんだから」
みたいな会話が聞こえてきますが、1番売り場に並んでいるワレワレは聞こえないフリ。

3時間半経過

 いよいよ1番窓口が見えてきました!
 
 売り場の窓口は 「1,2,3,5,7」 と数字が割り振られています。やっぱ、4とか9とかは縁起が悪いから使わないんですね。
 …6番窓口がないのは、ナゼなんだろう?


 ここまで長い行列に並びつつけた自分は 「せっかく長い時間かけて並んだんだし、予定より多めに買っちゃおうかなぁ」 と、悩み始めました。
 他の人が宝くじを買う様子を見ていたら、何百枚もメチャメチャ大量に買うお客さんも多かったんだけど、それ以上に 「10枚しか買わない」 というヒトも結構多かったですよ。
 3時間半も並んで 「10枚しか買わない」 というのは、オトナだなぁというか、宝くじの楽しみ方を知っているなぁ、って感じがしませんか?


 で、1番窓口に並んでいるワレワレだったのですが、右の行列と左の行列では進む速度が違います。
 「2列に並ぶ」 という時点でイヤな予感はしていたのですが、
 
 衝撃の真実!


 1番窓口は、左右に分かれていた…ッ!


 しかも、オレが並んでいたのは内側のというか、2番窓口寄りの、というか、
 …っていうかコレ、ホントは2番窓口なんじゃねぇの?


 やられた…ッ!
 3時間半並んで、この仕打ち…ッ!


 勝負は、割り込み防止カードをもらって歩道を走った、あの瞬間に決まっていたのか…。


 しかしまぁ、もう疲れきっていたので、コレはコレで良し、と。
 もういいや、と。


 ま、とにかく。


 大安吉日に、
 年末ジャンボ宝くじを、
 西銀座チャンスセンターの、
 それも1番窓口で、
 買いましたっ!
 

まとめ

 ぶっちゃけ、宝くじは確率事象だから、どこの売り場が当たりやすいとか、そういうことにまったく意味はないのだ。たくさん売れている売り場からは、一等も出やすい。ただそれだけの話だ。
 ソレを知りつつも行列に並んでみたわけなのだが、やっぱあの長い長い行列に並んじゃうと 「ありがたい宝くじ」 を買ったような気がしますなぁ。
 当選確率が高くなったとは思ってないんだけど、とにかく当選発表が楽しみで楽しみで、待ち遠しくなっちゃってるワタクシなのでした。


「あの売り場が当たりやすいから」って理由であんな長い行列に並ぶのは、ナシだと思うけど。
「宝くじの楽しみ感が増すから」って理由であそこに並ぶのは、アリだと思うのですよ。